食品中の色素成分および有害成分

じゃがいもの芽などに含まれる配糖体はアミグダリンである?

食品中には身体に好影響を与えるものがい多く含まれていますが、一方で有害な物質を含むものもたくさん存在します。有害物質を分類するなれば、植物中の有害物質動物中の有害物質微生物由来の有害物質が存在します。

ここでは、まず、植物中の有害物質についてご紹介いたします。植物中の有害物質の中でも、タンパク質性有害物アルカロイド配糖体の三つに分けられます。まずはタンパク質性有害物に関してです。たんぱく質といえば穀類ですが、ほとんどの穀類や豆類にはたんぱく質分解酵素阻害剤といったものが存在します。とくにトリプトシンを阻害するトリプトシンインヒビターなどがあります。また、レクチンといったものもあり、豆類に含まれる糖結合タンパク質で赤血球を凝集する作用などがあります。リシンというものはヒマ種子に含まれ、糖たんぱく質ですが、たんぱく質合成を阻害する働きを持っています。これらの物質はたんぱく質に変わりはない為、加熱調理などによって有害たんぱく質を分解して摂取することをお勧めします

次にアルカロイドについてご説明いたします。アルカロイドの代表例としてはジャガイモがあります。ジャガイモにはソラニンとチャコニンが含まれています。ソラニンとはソラニジンをアグリコンとするステロイド系アルカロイド配糖体のことで、発芽部分と表皮のすぐ下の部分に多く含まれています。ジャガイモを傷つけることで、これらは生成され、コリンエステラーゼが合成されます。その影響で嘔吐、下痢、舌の硬直など身体に影響を与えます。よってじゃがいもを食べる際は、発芽部、緑色部位、皮などを除いて調理する必要があります。

最後に配糖体についてご説明いたします。有名なものとしてはキャベツ、なたねなどに存在するグルコシノレートなどがあります。これが加水分解されることで、甲状腺腫を引き起こす物質であるゴイトリンが生じます。

アーモンドや杏などのバラ科植物の種子にはアミグダリンリマ豆やバター豆などの豆類やキャッサバにはファゼオルナチンなども配糖体であり、腸内細菌のβ-グルコシダーゼによって加水分解されることで青酸が分離されます。青酸が有害物質だということは某有名アニメやドラマなどでよく使われているため知っている方も多いのではないでしょうか。

ソテツの種子や幹に含まれるサイカシンという有害成分があり、これも配糖体です。これはβ-グルコシダーゼによってメチルアゾキシメタノールが生成され、発がん性を示します。

(解答) ✖ ソラニン
じゃがいもの芽などに含まれる配糖体はソラニンです。

【参考資料】
新 食品・栄養科学シリーズ 食品学総論 第三版 食べ物と健康① 森田 潤司  成田 宏史 p98~107

ふぐに含まれる毒素はボツリヌストキシンである?

『じゃがいもの芽などに含まれる配糖体はアミグダリンである?』の解答解説に記載いたしましたうちの動物中の有害物質についてご説明いたします。糖たんぱく質であるオボムコイドは卵白たんぱく質の約10%を占め、トリプトシンを阻害します。また、アビジンも卵白たんぱく質の0.05%を占め、ビチオンと結合してその活性を阻害します。これら以外の阻害剤もご紹介します。淡水魚や貝類の内臓に存在するチアミンピアジニラーゼ(アノイリナーゼ)、ふぐ毒、つむぎはぜ、いもり、かになどに含まれるテトロドトキシンなどがあります。更に貝毒などもあります。貝毒という言葉を聞いたことがあるかたもいるかと思います。最後に貝毒についてご説明させていただきます。麻痺性貝毒にはさまざまな化合物が存在します。最初に構造決定したものはサキシトキシンです。主に二枚貝の中腸線に分布しています。また、オカダ酸、ディノフィシストキシン、ペクテノトキシンによって引き起こされる下痢性貝毒などもあります。これらの毒も二枚貝の中腸線に分布しています。最後にもう一つ。ドウモイ酸というものがあります。この毒は中枢神経の興奮性神経伝達物質を刺激し、胃腸や神経障害が引き起こされます

(解答) ✖ テトロドトキシン

【参考資料】
tenki.jp 毒を秘めた禁断の美食!? ちょっとツウなフグのお話 https://tenki.jp/suppl/marinahishinuma/2016/01/18/9051.html