作用機序の研究

機能性表示食品の申請に必要な研究のうち、ここでは「作用機序」に関する研究について説明させて頂きたいと思います。

「なぜ効果があるか」という研究

 「作用機序」という表現は、機能性表示食品で使われていますが、 メカニズム、細胞実験、in vitro実験などの呼ばれ方もあります。有効性があることが分かり、その成分の種類と量が分かるだけでなく、 「なぜ効果があるか」というサイエンスも求められます。

 現在の特に食品に関する研究は「ヒト試験」や「成分分析」が中心ですが、 私が学生の頃(約20年前)は「作用機序」の研究が中心でした。 例えば、脂肪細胞からの代謝が促進されることや、動物実験でアドレナリンの分泌が促進される、といった研究です。

in vitro試験

 私の作成したYoutubeの動画に「in vitro」というカテゴリーを作っており、そちらの説明もご参考になるかと思います。
https://www.youtube.com/channel/UCSCn7x6-9SHlJ-ge6Pqh5kA/playlists?

 具体的なin vitro実験の例としまして、以下の動画は脂肪を分解する酵素を阻害することの有用性を紹介しています。
https://www.youtube.com/watch?v=J36at7mYuPk

 脂肪分解を妨げることにより、血液中の脂質が増えにくくなり、また、アクネ菌の繁殖も予防も期待できます。

 in vitro試験の利点は、ヒト試験に比べて安価に実施できる点です。多くのサンプルを評価する際に有効です。また、1つの食材や天然物について、その効果を幅広く評価することも可能です。機能性評価食品の届出の際に、「作用機序」の研究が必要な際はスピードとコストの双方を両立する方法になります。

 欠点としては、直接的な効果ではないことです。実際に摂取や塗布した際に全く効果がないことも少なくありません。直接的な効果は、臨床試験で評価をしています。

香りや化粧品研究での利用

 食品、特に機能性表示を目指す場合は、「作用機序」に関する位置付けは届出に必要なので明確です。「関与成分」を特定するためにセットで使われる場合も多いです。

 香りや化粧品などその他の分野では、 大学で研究されることで信頼性を高める目的が多いように感じます。最近は、そのような「箔をつける」といった研究が少数派になり実質的な研究開発を求められる企業が多くなっている印象を受けます。

研究は社会貢献のために

 多くのサンプルから効果の高い候補を探す際や効果を網羅的に探る際などにin vitro試験は有効です。一般的な研究室では、特定の分野の手法に偏っていることが多いですが、私共の研究グループでは、メタボ、肌、脳神経、ガンなどに対して、幅広い評価系を揃えております。

 大学教員の中には、ビジネスライクな研究を良しとしない声がまだ大多数を占めているように思います。私共は、研究が世の中に役に立ってこそ研究や大学の存在価値あると考えています。広報にも積極的にご協力させて頂きたいと思いますので、そのような際にもご相談頂ければ幸いです。