関与成分の分析と受託費用

機能性表示食品を申請する際には、 大きく分けると「ヒト試験(臨床試験)」「作用機序」「成分分析」という主に3つの研究が必要です(その他、必要に応じて安全性試験など)。ここでは「成分分析」について、簡単にご紹介したいと思います。

関与成分とは?

健康食品の開発に関わっている方々には、「関与成分」という言葉の方が馴染があるかと思います。どのような成分によって効果があるかを調べる研究です。人類が発見したことがない未知の物質に巡り合えることもあり、宝探しのような研究でもあります。

栄養に効果があるという誤解

化粧品や香りには当てはまらないですが、食品の場合、ビタミンやミネラル、アミノ酸に効果があると本気で思い込まれている場合があります。専門的な勉強を長年したはずの大学4年生が、卒論発表会でそのように言ってしまうことも度々あり、一般的な誤解の1つでもあるのかもしれません。

「栄養素」に該当するそれらの成分は、不足を補うと絶大な効果を発揮しますが、一般的な日本人の食生活で不足することは稀です。特別な効果がある場合、特別な物質が含まれていることが多いです。この特別な物質は、機能性表示食品では「関与成分」と呼ばれています。

食品分析に関する誤解

もう1つ大きな一般的な誤解があるのですが、日本分析センターなどの公的機関で分析できるという勘違いです。公的機関では、良く知られている物質について数値化すること得意ですが、前述のような物質を探すような研究は困難です。私共の研究チームでも、残念なことではありますが、主に海外出身者がそれらの研究を担っており、忍耐や地道な作業が必要な、今の若い日本人には難しくなっています。

関与成分(有効成分)が明確な製品では問題ありませんが、ブラックボックスのまま長年販売されていることも多いです。その中には、人類がまだ知らない宝が隠されている場合もあります。お手元にある主力商品に未知のことがある場合、是非ご相談下さい。

具体的な分析手法と費用

HPLC(高速液体クロマトグラフィー)、LC-MS(液体クロマトグラフー質量分析)など駆使していることが多いです。新品価格が1億円程度になることもある、最新鋭のLC-QTOF-MS(液体クロマトグラフ・四重極飛行時間質量分析)も導入しています。一般的なHPLCであれば、1検体10万円程度(+標準物質がない場合は購入費用)、LC-QTOF-MSの場合でも、1検体50万円(+情報がない場合は文献調査費用)で実施可能です。

LC-QTOF-MS分析の詳細

特定の関与成分の候補が決まっていない場合、LC-QTOF-MSを利用した分析が有効です。LC-QTOF-MSの分析では、分析結果(物質の分子量)と化合物ライブラリーと比較して解析します。当研究グループで利用しているライブラリー(≒データベース)は、23万以上の化合物が収録されるアジレント社のMassHunter METLIN Metabolite PCDLを利用しています。この分析によって、化合物を個別に分析することなく、多くの物質を網羅的に検出することが可能です。

LC-QTOF-MSは分子量から物質を推定しているので、機能性表示食品として届け出をするためには、化合物を確実に同定する必要があります。もし当該候補成分が市販されているのであれば、市販の化合物を購入して、HPLC等で確実に定量することができます。

市販されていないようであれば、当該ターゲット化合物を該当の食品から単離、同定、標準物質化を行うことができます。機能性表示食品の届け出には、定量方法を確立することやロット間のばらつき等についても検討する必要があります。これらのデータを統合して、機能性表示食品の届け出を行い、機能性表示食品化を達成することが可能になります。

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