タンパク質と化学的性質

たんぱく質は、三大栄養素の一つで、体重の約五分の一を占めるほど、無くてはならない栄養素の一つです。このページでは化学的視点からたんぱく質について学んでいただきたいと思います。

そこでこちらではたんぱく質に関して、10問の正誤式の問題があります。見出し(目次)の文章を正しいか間違っているかを考え、間違っている場合は正しい表現を考えてみて下さい。

シトルリンやクレアチンは、たんぱく質を構成するアミノ酸である?

たんぱく質を構成するアミノ酸としては、グリシン、アラニン、バリンなどをはじめとした脂肪族アミノ酸、酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸、芳香族アミノ酸、含硫アミノ酸、複素環アミノ酸があげられます。一方、たんぱく質構成アミノ酸以外のアミノ酸および類縁化合物の代表例は、かなり数が限られているため、こちらを覚えておくことをお勧めします。全8種で、オルニチン、シトルリン、クレアチン、β-アラニン、アリイン、タウリン、テアニン、ɤ-アミノ酪酸です。

(解答) ✖ 違う
シトルリンやクレアチンは、たんぱく質を構成するアミノ酸ではありません。

グリシンは必須アミノ酸である?

必須アミノ酸とは、ヒトが体内では合成できないため食事から摂取する必要のあるアミノ酸で、バリン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、リシン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン、ヒスチジンの9種をさしています。また、ヒスチジンは9番目の必須アミノ酸として、近年必須アミノ酸に追加されました。もともと、成長に必要とされるアミノ酸として知られていたため、成人にとっては必須アミノ酸とは言えないといわれていましたが、近年成人にも必須性が確認されたからです。必須アミノ酸に関して、覚え方を、『人の必須アミノ酸はイソロイシン(Ile)・ロイシン(Leu)・リジン(Lsy)・メチオニン(Met)・フェニルアラニン(Phe)・セリン(Ser)・トリプトファン(Trp)・バリン(Val)の8種類である?』の解答解説に記載しておりますので是非ご参考ください。

(解答) ✖
グリシンは必須アミノ酸ではありません。

メチオニンは塩基性アミノ酸である?

塩基性アミノ酸には、リシン、アルギニン、ヒスチジンがあります。豆類に不足しがちなメチオニンは含硫アミノ酸で、ほかには、SH基をもちジスルフィド結合によってシスチンとなるシステインなどが存在します。

(解答) ✖ 含硫アミノ酸

たんぱく質はアミノ酸がエステル結合によって重合した高分子化合物である?

アミノ酸が2個以上結合した化合物をペプチドといいます。更に、アミノ酸同士が結合する際には1つのアミノ酸のCOOH基と別のアミノ酸のNH₂基とから、H₂O分子が脱離してペプチド結合が作られます。

(解答) ✖ ペプチド結合

たんぱく質の分子は、多数の枝分かれをしている?

たんぱく質が枝分かれ構造をしていない原因として転写、翻訳といったセントラルドグマが影響しています。枝分かれをしているたんぱく質の遺伝情報を調べると基本的にあとから付け加えられたものだとわかります。

(解答) ✖ してない
たんぱく質の分子は、多数の枝分かれをしていません。

アミノ酸が50個程度のものをオリゴペプチドという?

アミノ酸が2~3個結合しと物を、ジペプチドトリペプチドといいます。2~10個程度結合したものをオリゴペプチドといいます。多数結合したものを、ポリペプチドといいます。更に、アミノ酸数が50以上の物をたんぱく質といいます。

(解答) ✖ たんぱく質
アミノ酸が50個程度のものをたんぱく質といいます。

β構造(βシート)は、たんぱく質の四次構造のひとつである?

たんぱく質には一次構造から四次構造まで存在しています。たんぱく質は約20種のアミノ酸の配列構造から成り立ち、そのアミノ酸配列をたんぱく質の一次構造といいます。更に、そこから立体構造をとり、α-ヘリックス構造β-シート構造をとるものを二次構造。これらからより広がりを持ち三次元的な構造をとるものを三次構造といいます。三次構造は、たんぱく質分子内の側鎖間の相互作用によって支えられており、その結合の種類としては、疎水結合、ジスルフィド結合、イオン結合、水素結合があげられます。その三次構造がいくつか集まってできたものを四次構造といいます。四次構造を構成する一つ一つのたんぱく質の単位をサブユニットといいます。

(解答) ✖ 二次構造
β構造(βシート)は、たんぱく質の二次構造のひとつです。

ジスルフィド結合は、たんぱく質の一次構造の形成に関与している?

『β構造(βシート)は、たんぱく質の四次構造のひとつである?』の解答解説をご参考ください。

(解答) ✖ 三次構造
ジスルフィド結合は、たんぱく質の三次構造の形成に関与しています。

ヘモグロビンは複数のたんぱく質から構成されている?

ミオグロビンやヘモグロビンはたんぱく質に鉄を保有するヘムたんぱく質のうちの一種です。イラストを見ていただくと解説としてはわかりやすいかと思います。

(解答) 〇

【参考資料】
人間ドッグの評判とホントのところ 血色素量(Hb)の基準値は?低い、高い場合の原因・病気は? https://medical-checkup.biz/archives/1742

大豆には、グリアジンと呼ばれるたんぱく質が含まれる?

グリシン脂肪族アミノ酸の一種で、不斉炭素原子がないので、光学活性ではありませんが、甘みがあることが特徴です。グリシンには一般的によく眠れるようになるなどといった効果があるといわれています。グリシンは主に大豆や、ナッツ類、鶏皮などに多く含まれています。
一方、グリアジンとは、グルテンを構成する一種といなっています。グルテンは、グリアジンとグルテニンを合成させたものです。グルテンは含有穀物で自然発生するたんぱく質です。ですが、グルテン本体が小麦、大麦、ライムギなどといった穀物に含まれているわけではありません。小麦に含まれているグルテニンなどといったグルテリン系タンパク質と、小麦に含まれているグリアジンなどといったプロラミン系タンパク質と水が混ぜ合わせられることで、ようやくグルテンが生成されます。

(解答) ✖ グリシニン
大豆には、グリシニンと呼ばれるたんぱく質が含まれています。

参考資料

当サイトの『生化学 たんぱく質』にてたんぱく質をはじめとしたアミノ酸についての問題解説にてまとめてあるのでご参考ください。以下は、本ページを解説した講義動画になります。