食品中の色素成分および有害成分

トマトに含まれるリコペンは、ビタミンA効力のある赤色の色素である?

天然の色素成分としてカロテノイド系色素フラボノイド系色素クロロフィル色素ヘム色素などがあります。その中でカロテノイド系色素は植物、動物共に広く分布している色素となっています。カロテノイド系色素はカロテン類、キサントフィル類に分類されます。カロテン類の中でも最も有名なのがβ-カロテンです。プロビタミンAとして栄養学分野でも重要視されえています。また、α-、ɤ-カロテンニンジン、カボチャなど緑黄色野菜に含まれる色素成分や、リコペンといったトマト、すいか、柿などに含まれる赤色成分などが存在します。

リコペンの化学構造
β-カロテンの化学構造

(解答) ✖ Aなし
トマトに含まれるリコペンは、ビタミンA効力を持たない赤色の色素です。

アスタキサンチンは、とうがらしに含まれる赤色の色素である?

天然色素成分のカロテノイド系色素キサントフィル類において、野菜・果実の黄橙食の成分であるα-およびβ-クリプトキサンチン、ルテイン、また、唐辛子成分の赤色成分であるカプサンチンさけ、かに、えびなどの魚介類に含まれる赤色色素のアスタキサンチンなどが存在します。

エビやカニは、加熱調理をすると暗い色から鮮やかなピンク色に変化することは経験的に知っているかと思います。これは、タンパク質と結合しているアスタキサンチンが加熱によりタンパク質と離れて遊離することにより本来の色が見えることによります。

アスタキサンチンの化学構造

哺乳類の血液色素はヘモグロビンですが、エビやカニなどは銅を含むヘモシアニンによって、青色を呈します。酸素が結合する(酸化型)ことにより青色になり、酸素を結合しない(還元型)ヘモシアニンは無色です。

(解答) ✖ エビ
アスタキサンチンは、えび(さけ、かに)に含まれる赤色の色素です。

ルテインは、ほうれん草に含まれるフラボノイド系の色素である?

フラボノイド」とは本来は植物系色素という意味でほとんどの植物に含まれています。主に配糖体として存在し、水溶性を示します。また、フラボノイド系にも類に分けていくつか種類が存在します。一つ目が、フラボノイド類です。とくに光の当たる部分に存在しますが、ヒトの摂取率は大変悪く、体内への吸収率は1%といわれています。フラボノイド類はヒドロキシ基を複数所持しているため、抗酸化作用が強いといった特徴があります。代表例としては、柑橘類の皮などの苦み成分に含まれているナリンギン結晶化しやすいみかんの缶詰のシロップの白濁の原因物質であるヘスペリジンそばや茶に含まれるルチンなどがあります。毛細血管の強化などといった特徴が存在するため、以前はビタミンPとも呼ばれていました。二つ目の類としては、アントシアニン類です。アントシアニンは聞いたことがある方も多いかと思いますアントシアニンは水溶性で植物の細胞液中に配糖体あるいは有機酸が結合した配糖体として存在しています。アントシアニンはpHによって構造が変わり、色が変化するといった特徴があります。アントシアニンの代表的な例としては、シソの葉やなすやブドウの果皮をはじめとした赤色から青色を示す植物の花や果実、葉の色を呈しています。

正解となるキサントフィル類に関しましては、『アスタキサンチンは、とうがらしに含まれる赤色の色素である?』の解答解説をご覧ください。

ルテインの化学構造

(解答) ✖ キサントフィル
ルテインは、ほうれん草に含まれる(カロテノイド系)キサントフィル類の色素である

β-クリプトキサンチンは、柑橘類に含まれるキサントフィル系色素である?

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β-クリプトキサンチンの化学構造

『アスタキサンチンは、とうがらしに含まれる赤色の色素である?』の解答解説をご参考ください。

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