微生物生産食品:酒類や発酵食品

漬け物の製造では、主として酵母が酸を生成し、腐敗菌の増殖を抑制する。

漬物は野菜の貯蔵性を高めた加工食品です。
漬物は、つくる過程で発酵する「発酵漬物」と、発酵しない「無発酵漬物」の2つに大きく分類されます。発酵漬物は塩分を含む漬け床に野菜を漬け込むことで、野菜から出た水の中で乳酸菌が育成し、その働きによって完成します。
野菜にもともと付着している乳酸菌が、野菜の糖類などを分解して乳酸を生成。これにより野菜のpHが低下することで酸性になるため、酸味が出ると同時に、酸に弱い腐敗菌の働きが抑えられ保存性が高まります。また、空気中などから付着した酵母も増殖し、それに伴い香気成分がつくられ漬物特有の風味が生まれます。

(答え) 乳酸菌

【参考文献】
漬物のきほん 発酵食品 みんなの発酵食品BLEND
https://www.hakko-blend.com/study/hakkofood/04.html

納豆は、煮大豆をバチルス属の酵母により発酵させたものである。

納豆とは、蒸煮した大豆に納豆菌を接種し発酵させ、納豆菌のプロテアーゼの作用で大豆の組織を軟化し、消化したもので、独特の風味があります。納豆菌によって繊維などがある程度分解されて消化性が向上するとともに、ビタミンK₂が生合成されて、栄養価が高くなります。
納豆の粘物質は、ポリグルタミン酸フラクタンの混合物です。

(答え) 細菌

【参考文献】
東京アカデミー.2020年版 管理栄養士国家試験対策 完全合格教本 下巻.
七賢出版株式会社,2019,115p

みそ及びしょうゆは、主としてかび・酵母・細菌の併用による食品であり、それらの色には、アミノ・カルボニル反応が関わっている。

みその発酵においては、いろいろな微生物が寄与しますが、主要微生物は、麹菌酵母乳酸菌です。
その役割として、麹菌は各種酵素を生成し原料を分解し、酵母、乳酸菌は、乳酸、アルコール他各種の風味成分を発酵生成し、みその色、香り、味に影響を与えます。

しょうゆもまた、麹菌・乳酸菌・酵母菌が関与しています。この順番に活躍をして大豆のタンパク質をうま味成分のアミノ酸に分解したり、有機酸をつくって諸味のphを調整したり、香り成分に欠かせないアルコールをつくったりしています。

しょうゆの種類には、濃口、淡口、溜り、再仕込、白しょうゆがあります。
しょうゆのうま味や甘味成分は、麹菌が産生する酵素(プロテアーゼやアミラーゼなど)により、原料中のたんぱく質やデンプンが分解され、生成されたアミノ酸や糖類によるものです。

減塩しょうゆの食塩含量は普通しょうゆの50%以下(塩分濃度9%以下)で他の成分は同等であることと規定されています。
普通しょうゆをイオン交換膜によって脱塩する方法または、低塩仕込み法により製造されています。

アミノカルボニル反応(メイラード反応)
アミノ化合物(有機アミノ酸、ペプチド、たんぱく質、アミン類、アンモニアなど)とカルボニル化合物(還元糖、アルデヒド、ケトン、レグタトンなど)が複雑な化学反応を経て、最終的に褐変色素である
メラノイジンを生成する反応のこと。(メラノイジンには抗酸化作用がある。)
みそやしょうゆの原料にはアミノ酸や還元糖が存在するので、加工や熟成を通してアミノカルボニル反応が行われ、独特の色を呈する。

(答え) 〇

【参考文献】
醤油づくりの微生物(麹菌・乳酸菌。酵母菌)
https://www.s-shoyu.com/knowledge/0707

「発酵」の不思議:農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2211/spe1_01.html

みそと乳酸菌 神州 味噌コーポレートサイト
https://www.shinsyuichi.jp/misolibrary/detail/1

さまざまなしょうゆ キッコーマン
https://www.kikkoman.co.jp/soyworld/subete/various.html