微生物生産食品:酒類や発酵食品

清酒は、でんぷんを糖化させながら生成した酵母をアルコール発酵する並行複発酵酒であり、醸造には、アスペルギルス属のコウジカビとサッカロミセス属の酵母が使われる。

清酒は日本酒とも呼ばれ、米・米こうじ・水を原料とし、こうじカビによる米でんぷんの糖化と酵母によるアルコール発酵を同時に行う、並行複発酵酒です。

代表的な麹菌として、 Aspergillus oryzae(アスペルギルス オリゼ)とAspergillus sojae(アスペルギルス ソーヤ)が挙げられます。前者は、清酒、味噌、しょうゆなど幅広い食品の製造に利用されており、後者は、味噌としょうゆの製造に限られています。

Saccharomyces cerevisiae (サッカロミケス・セレビシエ/サッカロマイセス・セレビシエ) は酵母の一種で、「出芽酵母」や「パン酵母」というと一般的にこの種を示します。ビールや日本酒などのアルコール醸造に欠かせない微生物です。

(答え) 〇

【参考文献】
麹菌ゲノム解読 キッコーマン
https://www.kikkoman.com/jp/quality/research/about/soysauce/genome.html

お酒造りの小さな主役 清酒酵母の話
https://www.jozo.or.jp/yeast/wp-content/uploads/sites/2/2020/01/Koubo-hanasi-Part-5.pdf

サッカロマイセス・セレビシエの特徴 株式会社テクノスルガ・ラボ
https://www.tecsrg.co.jp/services/techinfo/about-s-cerevisiae/

甲類焼酎は、本格焼酎と呼ばれる。

焼酎は、穀類・いも・糖蜜などを原料としてもろみを作り、これを蒸留してつくられる蒸留酒です。
蒸留の方法により甲類と乙類(本格焼酎)に分けられます。

甲類(連続式蒸留焼酎)
廃糖蜜や酒粕、でんぷん質原料を発酵させたもろみを原料にします。原料を、連続式蒸留機によって、何回も蒸留を繰り返していき、発酵後のもろみを連続で蒸留して繰り返すことで、不純物が取り除かれ、酒類原料用及び穀類原料のアルコールが純粋なものになります。

乙類(単式蒸留焼酎・本格焼酎)
乙類焼酎は芋や小麦、そば、米などの原料を蒸し、一次発酵をします。そこに米・麦・そばを蒸して作った麹と、水などを混ぜ単式蒸留という方法で作ります。

(答え) 乙類焼酎

【参考文献】
焼酎の甲類と乙類の違いについて | 日本安全食料料理協会【JFSCA】 (asc-jp.com)

みりんは全糖量46~47%で、アルコール濃度が14%と高く、混成酒に分類される。

混成酒とは、醸造酒や蒸留酒に、糖類や果実、植物の根茎、葉、香料など種々の材料を加えてつくられます。果実酒、薬酒、リキュール類などがあり、酒税法上ではみりんも混成酒として扱われます。

みりんは、蒸したもち米と米麹を混合し、焼酎またはアルコール溶液を加えて、もち米を糖化させた後、ろ過したものでアルコール度数が約14%あります。

(答え) 〇

【参考文献】
和泉秀彦/三宅義明/舘和彦.栄養科学ファウンデーションシリーズ 食品学.
朝倉書店,2014,127p