脂質の分析(ケン化価・ヨウ素価・酸価・過酸化物価)

ケン化価の大きい油脂ほど、構成脂肪酸の平均炭素鎖は長くなる?

グリセリドをアルカリ加水分解することケン化といいます。この時に得られる脂肪酸のアルカリ塩が石けんです。石けんは硬水では泡立ちにくいといった知識を聞いたことがある方は少なくはないと思います、その理論はここにあります。カルシウムやマグネシウム、鉄などのイオンを多く含むとき、高級脂肪酸が水に不溶性の塩をつくるため、泡立ちが悪くなるのです。
ケン化の度合いを知るためにケン化価といったものがあります。油脂1gをケン化する(≒石けんにする)際に必要なKOHの㎎数を指します。短鎖脂肪酸などは分子量が小さくなるため(1gあたりの分子数が増えるため)ケン化価は高くなります。つまり、ケン化価は平均分子量を反映する指標となります。

化学式 01

(解答) ✖ 短くなる
ケン化価の大きい油脂ほど、構成脂肪酸の平均炭素鎖は短くなります。

【参考資料】
「石けん素地」の原料について 牛乳石鹸共進社株式会社  https://www.cow-soap.co.jp/event/whats-sekken/capter02/

ケン化価および酸価の測定には酸化カリウムを用いる?

ケン化価は油脂に水酸化カリウムのエタノール溶液を加え、熱っしてグリセリドをけん化させることで、脂肪酸のカリウム塩とグリセリンまでに分解させます。また、グリセリドは有機酸と反応して脂肪酸のカリウム塩を生成します。このようにして油脂1gをケン化する際に必要なKOHの㎎数を求めます。また、酸価は、油脂にエタノール・エーテル 混液を加えて溶解させ、数滴のフェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30 秒間持続する淡紅色を呈するまで水酸化カリウム溶液で滴定します。滴定に要した水酸化カリウム溶液の液量から、酸価を求めます。

(解答) ✖ 水酸化カリウム
ケン化価および酸価の測定には水酸化カリウムを用います。

ヨウ素価とは、油脂1gに付加されるヨウ素のg数である?

ヨウ素価とは油脂100gに付加するハロゲンの量をヨウ素のg数で表した値となっています。ヨウ素価とは構成脂肪酸の不飽和度を示し、ヨウ素価が高いほど二重結合が多く、柔らかく、酸化されやすくなっています。

(解答) ✖ 100g
ヨウ素価とは、油脂100gに付加されるヨウ素のg数です。

ヨウ素価の高い油脂ほど、その油脂の構成脂肪酸の炭素数が多い?

『ヨウ素価とは、油脂1gに付加されるヨウ素のg数である?』の解答解説をご参考ください。

(解答) ✖ 二重結合
ヨウ素価の高い油脂ほど、その油脂の構成脂肪酸の二重結合の数が多くなっています。