生体エネルギー(解糖系・クエン酸回路・電子伝達系)

生物が生きていくうえで、エネルギーが必要となってきます。呼吸や消化など、生活していくうえで欠かせないであろう代謝は様々な生物的な化学反応によって行われています。その中でも、解糖系、クエン酸回路、電子伝達系は中心的な役割を担っています。

これら、生体エネルギーに関して、10問の正誤式の問題があります。生化学のカテゴリーページにあります通り、中級バイオ技術者認定試験のレベルを想定しています。見出し(目次)の文章を正しいか間違っているかを考え、間違っている場合は正しい表現を考えてみて下さい。

※私共の研究チームによるプロジェクトがクラウドファンディングに掲載されています。私共の研究や木の良さを知って頂くために、是非ご覧頂ければ幸いです。

※食生活アドバイザー対策を想定した実用的なエネルギー代謝についての情報はこちらのページで解説しています。

ATPとはアデノシンリン酸の事である?

ATPとはadenosine triphosphateのことで、アデノシン3リン酸を指します。
アデノシンに3分子が結合した化合物です。

(解答)✖ 3リン酸
ATPとはアデノシン3リン酸のことを指します。

【参考資料】
生物基礎教科書説明 高校生物の学び舎 https://biology-manabiya.net/basicbiology-a-4/

ATPにおけるリン酸同士の結合をリン結合という?

ATPは分子中のリン酸同士の結合が切り離される時に多量にエネルギーを放出します。この際の結合の名前を高エネルギーリン酸結合といいます。

(解答)✖ 高エネルギーリン酸結合
ATPにおけるリン酸同士の結合を高エネルギーリン酸結合といいます。

AMPは高エネルギーリン酸化合物である?

AMPとは、AdenosineMono-PhosphateのことでATPからリン酸を二つ外したものを指します。ちなみにリン酸を一つ外したものを、ADPといいます。

(解答)〇

【参考資料】
スポーツ栄養士あじのブログ 【超簡単】ATPの構造や働きをわかりやすく解説してみた! https://aji3.com/structure-and-function-of-atp/

解糖とはグルコースがピルビン酸または乳酸にまで分解される代謝経路で血液中において反応が進む?

解糖系は細胞質で10種類の酵素の働きによって進む代謝反応です。
グルコース1分子は、脱水素反応などによって2分子のピルビン酸に分解されます。この過程で、ATPが2分子生成されます。
この反応式は次のように表すことができます。
C₆H₁₂O₆+2NAD⁺→2C₃H₄O₃+2(NADH+H⁺)+2ATP

(解答)✖ 細胞質中
解糖とはグルコースがピルビン酸または乳酸にまで分解される代謝経路で細胞質中において反応が進むことを指します。

解糖系を表す化学反応式は C₆H₁₂O₆+2ADP+2Pi→2C₂H₅OH+2CO₂+2ATPである?

解糖系の反応式については、『解糖とはグルコースがピルビン酸または乳酸にまで分解される代謝経路で血液中において反応が進む?』の解説をご参照ください。
アルコール発酵とは、酵母菌を用いて進む反応で、パンや酒の製造に用いられます。

(解答)✖ アルコール発酵
アルコール発酵を表す化学反応式はC₆H₁₂O₆+2ADP+2Pi→2C₂H₅OH+2CO₂+2ATPです。

クエン酸回路はグルコースを生成する代謝である?

クエン酸回路はミトコンドリアのマトリックスで行われる代謝です。
ピルビン酸が、脱炭酸反応と脱水反応によって完全に分解されます。
反応式は次のように表すことができます。
2C₃H₄O₃+6H₂O+8NAD⁺+2FAD→6CO2+8(NADH+H⁺)+2FADH₂+2ATP
このように2ピルビン酸からNADH・FADH²が生成される代謝反応となっています。

(解答)✖ NADH・FADH²
クエン酸回路はNADH・FADH²を生成する代謝です。

クエン酸とはcAMPとオキサロ酢酸が結合した物?

『クエン酸回路はグルコースを生成する代謝である?』の解答をご参照ください。クエン酸回路アセチルCoAオキサロ酢酸縮合反応を起こしたことで反応が進んでいきます。

(解答)✖ アセチルCoA
クエン酸とはアセチルCoAとオキサロ酢酸が結合したものです。

電子伝達系はミトコンドリアの外膜で反応が進む?

電子伝達系ミトコンドリアの内膜で反応が進む代謝となっています。
解糖系とクエン酸回路で生じたNADHやFADH₂から放出された電子が電子伝達系を通ることで、H⁺が膜間腔に放出されます。電子は最終的にH⁺やO₂とともに水を生成します。放出されたH⁺がATP合成酵素を通過する際に、グルコース1分子当たり最大34分子のATPが生成されます。
反応式は次のように表すことができます。
10(NADH+H⁺)+2FADH₂+6O₂→12H₂O+10NAD⁺+2FAD+34ATP

(解答)✖ 内膜
電子伝達系はミトコンドリアの内膜で反応が進みます。

酸素呼吸の電子伝達系にはシトクロムが関係しない?

シトクロムとは、ヘモグロビンと同様にヘム鉄を含むタンパク質であり、主に酸化還元機能を持っています。ミトコンドリアの内膜にも存在しており、電子伝達系に関わっています。

(解答)✖ 関係する
酸素呼吸の電子伝達系にはシトクロムが関係します。

呼吸により1分子のグルコースが完全酸化すると、24分子のATPが生成される?

それぞれの反応式から、理論的にはグルコース1分子あたり、好気呼吸(クエン酸回路と電子伝達系)では36ATPが得られますが、嫌気呼吸(解糖系)では2ATPしか得ることができません。

(解答)✖ 38
呼吸により1分子のグルコースが完全酸化すると、38分子のATPが生成されます。

参考動画

本ページを全体的に説明した講義動画のうち、約40分程度の中心的な部分を以下より閲覧することが可能です。

生体エネルギーに関連する動画はYoutubeに多くありますが、トライさんの動画全般が分かりやすく説明されています。以下の動画では、解糖系についての動画になります。これ以外にも呼吸について光合成についてなど様々な分野に各々動画がアップされています。