植物の生化学

私たちが生活するうえで植物というのはかなり身近なものではないでしょうか。同じ命があるものといっても、植物と人間では全くちがいますよね?最も大きな違いは生きているのに、植物は飲食しない。。しかし、生きているのだから栄養(エネルギー)はどこかで得ているはずです。このように植物に関して、学ぶべき点は沢山あります。

そこでこちらには植物に関して、10問の正誤式の問題があります。見出し(目次)の文章を正しいか間違っているかを考え、間違っている場合は正しい表現を考えてみて下さい。

葉緑体のストロマにはクロロフィルaやキサントフィルなどの光合成色素が存在する?

植物の葉緑体にはチラコイドグラナストロマにより成り立っています。
チラコイドとはクロロフィルなど色素を含む扁平な袋状の膜構造で光エネルギーを吸収します。グラナとはチラコイドが密に積み重なっている部分です。ストロマとは、チラコイドの間を満たしている部分で、環状DNAを持ち、二酸化炭素の固定が行われます。

(解答)✖ ストロマ→チラコイド
葉緑体のチラコイドにはクロロフィルaやキサントフィルなどの光合成色素が存在します。

各色素ごとの各波長の光に対する吸光度のグラフは作用スペクトルと呼ばれる?

物質がいろいろな波長の光を吸収するようすを示したものを吸収スペクトルといいます。そして、光の波長と光合成速度の関係を示したものを作用スペクトルといいます。基本的に作用スペクトルはクロロフィルaの吸収スペクトルに似ます。ですが、ほかの色素による吸収もあるので、作用スペクトルとクロロフィルaの吸収スペクトルが一致することはありません

(解答)✖ 作用→吸収
各色素ごとの各波長の光に対する吸光度のグラフは吸収スペクトルとよばれます。

チラコイドにおいて水が酸素と水素に分解される反応は光化学系Ⅰと呼ばれる?

植物の葉緑体内で行われる光合成という代謝は、光化学反応、電子伝達系、高リン酸化、カルビン・ベンソン回路などといった過程で行われます。その中で、電子伝達系では、光化学系Ⅱから光化学系Ⅰへと電子が受け渡されます。反応は名称の数字と逆で起きると覚えましょう。光化学系Ⅱでは水が分解され、光化学系ⅠではNADP⁺の還元が行われます。

(解答)✖ Ⅰ→Ⅱ
チラコイドにおいて水が酸素と水素に分解される反応は光化学系Ⅱと呼ばれています。

光リン酸化反応ではADPが合成され、ストロマでの反応に使われる?

チラコイド内腔に蓄積したH⁺はATP合成酵素を通ってストロマに放出されます。この時に放出される際に同時にエネルギーも放出されます。それがATPです。

(解答)✖ ADP→ATP
光リン酸化反応ではATPが合成され、ストロマでの反応に使われます。

光化学系Ⅱで生じた電子はプラストキノンに伝達される?

光化学系Ⅱの過程で、吸収された光子のエネルギーから高エネルギー電子が発生します。これらの電子は電子伝達系の間に、プラストキノンに電子を渡します。その後、プラストキノンはプラストキノンプールに合成されます。プラストキノンの働きとして、大まかに二つあげられます。一つ目は、反応中心の光反応による電子反応をキノン、キノールの二つに分解することです。二つ目は、細胞膜中に埋め込まれたプラストキノンの集合体がキノンまたはキノールを膜中に蓄積することで、光化学系と酸化還元反応の間の橋渡しをすることです。これらが、プラストキノンの押さえておくべき点です。

(解答)〇

【参考資料】
光合成研究 自然科学研究機構 分子科学研究所 人工分子で光合成系を組み立てる:キノンプールとその周辺 https://photosyn.jp/journal/sections/kaiho56-5.pdf

カルビンベンソン回路においてNADPHはリブロース二リン酸(RuBP)と二酸化炭素を反応させる酵素として働く?

ルビスコとは、カルビン・ベンソン回路において1分子のRuBPにCO₂を付加し、2分子のPGAを生成する酵素です。一方で、RuBPにO₂を付加してホスホグリコール酸を一分子ずつ生成する反応も触媒します。ホスホグリコール酸とはカルビン・ベンソン回路の阻害剤の役割を担っているため、ATPを消費してホスホグリコール酸をPGAに変えるこの反応は、O₂を消費してCO₂を生成するため、光呼吸とも呼ばれています。

(解答)✖ NADP→ルビスコ(RuBisCO)

ジカルボン酸回路を持つC4植物の代表例としてヒマワリが挙げられる?

大学入試などでよく問われがちな点ですが、植物には、C3植物、C4植物、CAM植物が存在します。それぞれについて少々説明いたします。
C3植物とは、基本的に一般的な植物を指します。名称の由来としては、カルビン・ベンソン回路にて、二酸化炭素から最初に作られる化合物は炭素(C)が3つの化合物だったからだそうです。
次にC4植物です。この植物はC3植物の名称の由来から察する方もいらっしゃると思いますが、カルビン・ベンソン回路にて、最初に作られる化合物が炭素(C)が4つ(オキサロ酢酸)です。更に、カルビン・ベンソン回路は、維管束鞘細胞で行われるといった特徴や葉肉植物である、強い光の下での光合成スピードが速いなどといった特徴もあります。よって代表例は、アワ、マツバボタン、サトウキビトウモロコシ、ススキなどがあげられます。
最後にCAM植物です。これは乾燥に強い場所に多く生息しています。CAM植物は夜間に気孔を開き、二酸化炭素を吸収します。ここから生成されるのは、オキサロ酢酸で、のちにリンゴ酸に合成され、液胞中で蓄えられます。代表例は、サボテンやパイナップル、ベンケイソウなどです。
それぞれの違いをしっかりと抑えておきましょう。

(解答)✖ トウモロコシ
ジカルボン酸回路を持つC4植物の代表例としてトウモロコシが挙げられます。

オーキシンは一般的に葉や茎の成長を促進させる植物ホルモンである?

植物は細胞壁といった分厚い壁によって形成の維持などが保たれています。しかし、外部から水分を摂取する際に障害となってしまいます。そこで、この細胞壁を柔らかくし、水分を摂取しやすくする植物ホルモンがオーキシンです。よって間接的に、植物を成長させるホルモンとも呼ばれています。

(解答)〇

サイトカイニンは休眠や成長抑制、気孔の閉鎖などを誘導する植物ホルモンである?

サイトカイニンは主に側芽の成長を促進します。植物の茎には頂芽と側芽が存在します。頂芽の成長が一般的な植物の成長となっています。所謂側芽の成長を促進させるということは、頂芽の成長の抑制になるということです。
アブシシン酸とは、植物が乾燥や低温などといった過酷な状況に追い込まれた際に分泌される植物ホルモンです。このホルモンは種子休眠といった、種子から発芽させないなどといった役割を担っています。

(解答)✖ サイトカイニン→アブシジン酸

【参考資料】
側芽 イラスト https://www.bing.com/images/search

エチレンは花芽形成を誘導する植物ホルモンである?

エチレンとは植物の茎全体を太く成長させる植物ホルモンです。風を受けるなどして植物が揺れることで、エチレンが分泌され、茎の成長が促進されます。一方、茎の成長を抑制する植物ホルモンは、ジベレリンブラシノステロイドです。よって、エチレンによって茎が太くなり、ジベレリン、ブラシノステロイドによって、茎の伸長に繋がります。

(解答)✖ エチレン→フロリゲン

最後に、個人的に非常に面白く興味深い動画を見つけたため、こちらに張らせていただきたく思います。
植物ホルモンに関して、とてもわかりやすく、面白く解説されています。是非ご覧ください。