核酸

人間の遺伝物質として、DNA、RNAというものがあるということを聞いたことがある方は、少なくないのではないでしょうか。DNAつまりデオキシリボ核酸、RNAつまりリボ核酸、これら二つを総称したものを、核酸といいます。つまり、核酸あってこその遺伝が行われているということになります。

遺伝に最も重要となる核酸に関して、10問の正誤式の問題があります。見出し(目次)の文章を正しいか間違っているかを考え、間違っている場合は正しい表現を考えてみて下さい。

核酸は、デオキシリボ核酸 (DNA)のみである?

核酸にはデオキシリボ核酸(DNA)とリボ核酸(RNA)が存在します。
RNAには、mRNA、tRNA、rRNA、ウイルスRNAが存在します。
DNAは遺伝子本体であり、RNAの合成を行ったり、自己複製を行います。
mRNAは、DNAの遺伝情報を転写して合成され、たんぱく質合成に直接関与します。
tRNAは特定のアミノ酸と結合し、mRNAに付着したリボソームへと運びます。
rRNAはリボソームを形成し、mRNAの遺伝暗号順にアミノ酸を結合させます。
ウイルスRNAは、宿主の細胞内でDNAを合成し、mRNAとしても働きます。

(解答)✖ P61 RNAも
核酸はデオキシリボ核酸とリボ核酸の二つです。

核酸は、塩基、アミノ酸、リン酸からなるヌクレオチドから構成されている?

ヌクレオチド塩基、糖、リン酸からなります。
更に名前の似た物質ヌクレオシドといったものも存在します。イラストのほうがわかりやすいと思うので、とあるサイトからお借りした、こちらのイラストをご覧ください。

(解答)✖ P61 アミノ酸→糖
核酸は、塩基、糖、リン酸からなるヌクレオチドから構成されています。

【参考資料】
受験のミカタ ヌクレオチドとは https://juken-mikata.net/how-to/biology/nucleotide.html

デオキシリボ核酸 (DNA)を構成する塩基は、アデニン、グアニン、シトシン、チミン、ウラシルの5種類である?

デオキシリボ核酸(DNA)の構成塩基は、ATGCです。
A⇒アデニン、T⇒チミン、G⇒グアニン、C⇒シトシンです。
リボ核酸(RNA)の構成塩基は、AUCGです。DNAのTがUに代わっています。Uはウラシルを指します。

(解答)✖ P62 アデニン、グアニン、シトシン、チミンの4種類
デオキシリボ核酸を構成する塩基は、アデニン、チミン、グアニン、シトシンの四種類です。

グアニンとシトシンは1つの水素結合を形成する?

構造の問題なので、イラストのほうがわかりやすいと思います。ご覧ください。

(解答)✖ P65 3つの水素結合
グアニンとシトシンは三つの水素結合を形成します。

【参考資料】
NS遺伝子研究室 塩基対と水素結合 http://nsgene-lab.jp/dna_structure/hydrogen-bond/

トランスファーRNA (tRNA)は、特定の糖質をリボソームへ運ぶRNAである?

『核酸は、デオキシリボ核酸 (DNA)のみである?』の解説をご覧ください。

(解答)✖ P67 糖質→アミノ酸
トランスファーRNAは、特定のアミノ酸をリボソームへ運ぶRNAです。

デオキシリボ核酸 (DNA)は、細胞骨格を担っている?

DNAはよく、生命の設計図といわれています。
一方、RNAは原材料といわれています。

(解答)✖ P61 体を作る設計図を担っている。
デオキシリボ核酸は、体を作る設計図を担っています。

リボ核酸は、mRNAやtRNAのみである?

『核酸は、デオキシリボ核酸 (DNA)のみである?』の解説をご覧ください。

(解答)✖ P66 rRNAやncRNAも

相補的な二本鎖DNAは、右巻きのらせん構造をとることを、二量体構造という?

DNAの二本のヌクレオチド鎖には、互いに逆向きのものが並行に並んでおり、これらがらせん状にねじれた構造をしています。
この二重らせん構造は塩基がAとT、CとGが特異的に結合します。このことを、相補的といいます。
よって、存在する量がA=T、C=Gとなり、この法則をシャルガフの法則といいます。

(解答)✖ P65 二重らせん構造

【参考資料】
高橋医院 ネコでもわかる遺伝子のお話 https://hatchobori.jp/blog/4854

DNAの塩基配列はたんぱく質のアミノ酸配列に対応している?

DNA鎖には、4つの塩基がいろいろな組み合わせで並んでいます。これらを三つずつセットにしたものを、コドンといいます。この組み合わせによりアミノ酸は成り立っているのでDNA鎖を見ることで、アミノ酸配列を知る事が出来ます。更にアミノ酸がつながって、たんぱく質はできるので、結論、DNA鎖を見ることで、たんぱく質のアミノ酸配列を知る事が出来ます。

(解答)〇

DNAの塩基配列をmRNAに写し取ることを、遺伝子異常という?

mRNAに写し取ることを転写といいます。更にスプライシングといって、mRNA前駆体からイントロン部分が除かれ、エキソン部分のみが連結されて、mRNAが合成されます。ここで、のぞかれる部分に違いが生じるため多様性が生まれます。その後、mRNAは核膜孔を通って細胞質気質へ移動後、たんぱく質合成の場であるリボソームと結合します。そこで、遺伝情報の翻訳が行われます。これらの過程を経て、合成が行われます。
また、遺伝子異常とは、遺伝子の突然変異により起きるものです。これによってさまざまな障害が発病する可能性があります。有名な病気としては、メンデル遺伝病、胎児病、染色体異常などがあります。

(解答)✖ P67 遺伝子異常→遺伝子発現

【参考資料】
スクエア 最新図説生物 二訂版 吉里 勝利  阿形 清和  倉谷 滋  筒井 和義  三村 徹郎 p71,p85

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