細胞小器官の役割

生物の基本構造単位は細胞です。様々な細胞の機能や役割は細胞小器官によるものであり、細胞内外での重要な働きを担っています。

生物学の基本である細胞、特に生体内での働きの主要を担う細胞小器官にに関して、10問の正誤式の問題があります。生化学のカテゴリーページにもあります通り、中級バイオ技術者認定試験の学習を目的とした問題となっています。

見出し(目次)の文章を正しいか間違っているかを考え、間違っている場合は正しい表現を考えてみて下さい。

核小体は、リソソーム生成の場である?

核は二重の膜からなる核膜で包まれています。更に核の内部には、染色体と核小体があります。核膜には、核膜孔とよばれる構造があり、核膜で合成されたmRNAは核膜孔を通って核の外に出ます。

核小体は核の中に1~数個存在し、リボソームの原料をつくっています。
リボソームはmRNAをとりこみ、アミノ酸の運び屋であるtRNAがその中でmRNAのコドンを認識します。リボソームの酵素作用によって隣り合ったアミノ酸がペプチド結合をし、ペプチド、さらにタンパク質となります。
核小体は、RNAとタンパク質で構成されており、球状で被膜に包まれていません。
別称を仁とも呼びます。

リソソームは一重膜でできた直径0.4~数㎛の小胞で、ゴルジ体から生じます。
内部は酸性で多数の消化酵素を含み、古い細胞小器官や細胞外から取り込んだ異物の消化に関わります。

(解答)×
核小体は、リボソーム生成の場です。(rRNA)
リソソームはゴルジ体で生成されます。

参考資料
・リボソームとは? 遺伝学電子博物館 国立遺伝学研究所 
https://www.nig.ac.jp/museum/dataroom/translation/01_introduction/index.html

滑面小胞体は、リボソームで合成されたタンパク質を貯蔵する?

小胞体とは、細胞質気質中に広がる管状または袋状の一重膜の構造体です。
その表面にリボソームが付着した領域を粗面小胞体といい、リボソームが付着していない表面を滑面小胞体といいます。
粗面小胞体は、リボソームで合成されたたんぱく質を取り込み、ゴルジ体へ輸送します。滑面小胞体は、脂質の合成や毒物の解毒、細胞内のCa²⁺の濃度調節などに関与しています。

(解答)×
粗面小胞体は、リボソームで合成されたタンパク質を貯蔵する。

リソソームは、たんぱく質合成の場となる?

『核小体は、リソソーム生成の場である?』の解説同様、リボソームはmRNAをとりこみ、アミノ酸の運び屋であるtRNAがその中でmRNAのコドンを認識します。リボソームの酵素作用によって隣り合ったアミノ酸がペプチド結合をし、ペプチド、さらにタンパク質となります。
よって、リボソームはたんぱく質合成の場となります。
リボソームがたんぱく質合成の場であるといった知識は生物学において基礎的な知識といなるため一連の文章として覚えておくことをお勧めします。

(解答)✖ リボソーム
リボソームは、たんぱく質合成の場となっています。

ゴルジ装置は、細胞分裂の際に染色体を移動させる?

ゴルジ体は扁平な円板状で、一重膜でできている袋(ゴルジのう)が重なった構造と、周囲の球状構造からなります。ゴルジ体では、小胞体から送られてきたたんぱく質や脂質に糖を付加するなどの修飾が行われています。
さらに、これらの物質を小胞に包み込んで送り出し、細胞内外への物質輸送を調節しています。分泌細胞に多く含まれています。

細胞分裂時、染色体が縦面で二分されたとき紡錘糸によって両極へ移動します。紡錘体極に中心体が存在し、染色体の移動を促します
中心体は、直径約0.2㎛、長さ約0.4㎛の一対の中心粒と、周囲にある微小管から構成されています。各中心粒は、三つの微小管が連なった三連微小管が9組環状に配列した構造をしています。細胞分裂時には紡錘糸の起点となります。また、真核生物では、鞭毛や繊毛の形成に関与します。動物細胞のほか、コケ植物、シダ植物に一部、および裸子植物であるソテツなどの精細胞にも存在しています。

染色体の様子について、わかりやすいリアルな映像があったため、掲載させていただきます。理解する際などにご覧ください。

https://www.bing.com/videos/search?q=%e6%9f%93%e8%89%b2%e4%bd%93%e5%88%86%e8%a3%82&&view=detail&mid=20C9FDC894ED38A6423120C9FDC894ED38A64231&&FORM=VRDGAR

(解答)✖ 中心体
中心体は、細胞分裂の際に染色体を移動させます。

参考資料
・スクエア 最新図説生物 二訂版 吉里 勝利  阿形 清和  倉谷 滋 筒井 和義  三村 徹郎 p22~30

中心体は、細胞質内の異物を分解処理する?

『核小体は、リソソーム生成の場である?』の解答と同様、リソソームは、内部は酸性で多数の消化酵素を含み、古い細胞小器官や細胞外から取り込んだ異物の消化に関わります。

(解答)✖ リソソーム
リソソームは、細胞質内の異物を分解処理します。

細胞膜は、単層のリン脂質から構成される?

生体膜は、リン脂質の二重層中にたんぱく質がモザイク状に分布した構造を持っています。更に、流動モザイクモデルといって、リン脂質もたんぱく質も細胞膜中を水平方向に移動したり、回転したりできます。
細胞膜中のたんぱく質には、糖鎖が結合しているもの(糖タンパク質)があります。糖鎖の部分は、細胞相互は、細胞相互の認識や細胞間情報伝達に働いていると考えられています。
膜構造においては、疎水部親水部を持つリン脂質が、疎水部同士で向かい合うように、二重層を形成します。

(解答)✖ 二重層
細胞膜は、二重層のリン脂質から構成されています。

参考資料
・細胞膜の構造と物質の輸送(受動輸送・能動輸送) バイオハック
http://manabu-biology.com/archives/42006119.html

リボソームはタンパク質分子への糖鎖の付加反応に関与している?

『ゴルジ装置は、細胞分裂の際に染色体を移動させる?』の解説同様、ゴルジ体では、小胞体から送られてきたたんぱく質や脂質に糖を付加するなどの修飾が行われます。さらに、これらの物質を小胞に包んで送り出し、細胞内外への物質輸送を調節しています。分泌細胞に多く含まれています。

(解答)✖ ゴルジ装置
ゴルジ装置はたんぱく質分子への糖鎖の付加反応に関与しています。

真核細胞と原核細胞の両方に存在するのはリボソームと細胞膜である?

真核生物と原核生物の両方に存在するのは染色体、細胞骨格、リボソームです。
真核生物のみに存在するものは、核、ミトコンドリア、ゴルジ体、中心体、小胞体、リソソーム、液胞です。
更に、真核生物の中でも植物細胞にしか存在しないものは、葉緑体、細胞壁です。

(解答)〇

細胞核の主成分はリン脂質とタンパク質である?

細胞核の主成分はDNA(デオキシリボ核酸)とタンパク質です。DNAは細胞の複製やタンパク質の設計図としての役割を担っています。細胞核に含まれるタンパク質はヒストンと呼ばれるタンパク質が多く、長いDNA鎖を糸巻きのように折り畳む役割などを担っています。

(解答)✖ DNA(デオキシリボ核酸)
細胞核の主成分はDNAとタンパク質です。

ミトコンドリアは固有の代謝反応が行われており、エネルギーとしてcAMPを獲得する?

ミトコンドリアでは、呼吸といった代謝反応が行われています。
酸素を用いて有機物を無機物にまで分解し、ATPを合成する反応を指します。
解糖系、クエン酸回路、電子伝達系の三段階を経て計38ATP生成します。

sa

(解答)✖ ATP
ミトコンドリアは呼吸といった固有の代謝反応が行われており、エネルギーとしてATPを獲得します。

参考資料
・ATPの産生 stnv基礎医学研究室 清水 隆文 
http://www.stnv.net/med/atp.htm

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