酵素

酵素とは、私たちの生命活動に必要な様々な化学反応を促進する、タンパク質で作られた物質です。つまり、酵素がなければ、私たちは生きていくことができません。

このページには、10問の正誤式の問題があります。見出し(目次)の文章を正しいか間違っているかを考え、間違っている場合は正しい表現を考えてみて下さい。

酵素は、活性化エネルギーを大きくすることで化学反応を促進する?

活性化エネルギーとは、反応の最初の物質の基底状態から遷移状態に励起するのに必要なエネルギーです。
簡単に言うと、化学反応を起こすために必要なエネルギーです。
酵素は反応を促進する…つまり、 最小限のエネルギーで反応を促進し、必要なエネルギーが少なく済みます。
よって、活性化エネルギーは小さくなります。

(答え) ✖ 小さく
酵素は、活性化エネルギーを小さくすることで化学反応を促進します。

ホロ酵素は、酵素分子から補因子を除去したタンパク質部分をいう?

そもそも、補因子とは、酵素の働きに必要な非タンパク質の単体や化合物のことを指します。
タンパク質が持っていない性質を、補因子が結合することで補います。
補因子は、補酵素と金属イオンに分類されます。
補酵素とは、酵素の働きを促進する低分子量の有機化合物です。

アポ酵素とは、それ自身に酵素の働きを持っていない酵素のことで、アポ酵素に補因子が結合することで、はじめて、酵素の働きを持つことができます。
この酵素としての働きを持つ酵素のことを、ホロ酵素といいます。
よって、ホロ酵素=アポ酵素+補酵素 ということになります。

(答え) ✖ アポ酵素
アポ酵素は、酵素分子から補因子を除去したタンパク質部分を言います。

酵素の活性中心には触媒部位と基質結合部位とがある?

酵素の活性部位の形状は基質結合に応じて、連続的に変化します。
基質結合部位には基質特異性がみられ、構造、更には、酸性または塩基性、親水性または疎水性、正帯電、負帯電または中性など様々な性質の中で、一致するものしか結合ができないようになっています。
一方、触媒部位は変化するため、別の物質が結合し阻害を起こす可能性もあります。

(答え) 〇

EC番号のはじめの数字が3であるのは酸化還元酵素である?

ECとはenzyme commission の略で、EC番号別名、酵素番号ともいわれています。触媒する反応の種類ごとに番号が振り分けられています。

  1. Oxidoreductase: 酸化還元酵素 酸化還元反応を触媒
  2. Transferase: 転移酵素 原子団をある分子から別の分子へ転移する
  3. Hydrolase: 加水分解酵素 加水分解反応を触媒
  4. Lyase : リアーゼ 脱離反応によって二重結合を生成する
  5. Isomerase: 異性化酵素 異性体を作る
  6. Ligase : リガーゼ ATP の加水分解エネルギーを利用して、2つの分子を結合させる

引用:https://ultrabem.com/other_topics/biochem_basic/enzyme_ec_numbers

(答え) ✖ 加水分解酵素
EC番号のはじめの数字が3であるのは加水分解酵素です。

リアーゼのEC番号は6から始まる?

上記のの解答解説をご参照ください。

(答え) ✖ 4
リアーゼのEC番号は4から始まります。

ミカエリス・メンテンの式において、〔S〕で示されるのは酵素濃度である?

ミカエリス・メンテンの式とは、酵素の反応速度を求める式です。
v=Vmax[S]/Km+[S]
[S]:基質濃度
Vmax:最大反応速度(基質濃度が無限大の時の反応速度)
Km:ミカエル定数 (v=Vmax/2(最大反応速度の半分の速度)時の基質濃度[S])
と表すことができる。
Kmの値をもとに酵素と基質の親和性を知ることができます。
Kmが小さいと、酵素と基質の親和性は高くなります。

(答え) ✖ 基質濃度
ミカエリス・メンテンの式において、〔S〕で示されるのは基質濃度です。

ミカエリス定数は、基質親和性の指標となる?

上記のの解答解説をご参照ください。

(答え) 〇

アミラーゼ、トリプシン、リパーゼは転移酵素である?

EC番号の順で例を挙げていきます。
酸化還元酵素 乳酸脱水素酵素、グルコースオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、カタラーゼ、ウリカーゼなど
転移酵素 アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アラニンアミノトランスフェラーゼ、γ‐グルタミルトランスフェラーゼ、ヘキソキナーゼなど
加水分解酵素 アミラーゼ、α‐グルコシダーゼ、スクラーゼ、ラクターゼ、リパーゼ、ペプシンなど
リアーゼ アルドラーゼ、エノラーゼ、アスパルターゼ、炭酸脱水酵素など
イソメラーゼ ムタロターゼ、ホスホグルコムターゼなど
リガーゼ アシルCoAシンテターゼ、ピルビン酸カルボキシラーゼなど

(答え) ✖ 加水分解酵素
アミラーゼ、トリプシン、リパーゼは加水分解酵素です。

ヘキソキナーゼとペルオキシダーゼは異性化酵素である?

上記の解答解説をご参照下さい。

(答え) ✖ ヘキソキナーゼ:転移、ペルオキシダーゼ:酸化還元
ヘキソキナーゼは転移酵素、ペルオキシダーゼは酸化還元酵素です。

2種のサブユニットからなる四量体のアイソザイムは4種存在する?

アイソザイムとは、働きは同じ(同じ化学反応を促進する)だが、構成成分に違いのある酵素のことを指します。これは、タンパク質の一次構造のみに差のあることをも表します。
例えば、乳酸脱水素酵素の時、LDH1、LDH2、LDH3、LDH4、LDH5の五つが存在しています。

(答え) ✖ 5種類
2種のサブユニットからなる四量体のアイソザイムは5種類存在します

【参考資料】

・代謝 酵素と活性エネルギー 愛媛大学農学部http://web.agr.ehime-u.ac.jp/~seisan/chikusou/slides/Biology04_Energy%20metabolism.pdf 
・アポ酵素とホロ酵素 Bio-Science https://lifescience-study.com/2-coenzyme/
・酵素と基質の結合方法 酵素の活性部位とは https://ja.strephonsays.com/what-is-the-active-site-of-an-enzyme
・酵素番号 一覧、解説 UltraBem https://ultrabem.com/other_topics/biochem_basic/enzyme_ec_numbers
・ミカエリス・メンテン式と反応速度論量の決定 (Km値とVmax)Bio-science https://lifescience-study.com/2-michaelis-menten-equation-and-determination-of-reaction-rate/
・酵素反応速度論 気になる生化学 https://idenwatch.com/seikagaku8-3/