植物の生化学(光合成・植物ホルモン等)

チラコイドにおいて水が酸素と水素に分解される反応は光化学系Ⅰと呼ばれる?

植物の葉緑体内で行われる光合成という代謝は、光化学反応、電子伝達系、高リン酸化、カルビン・ベンソン回路などといった過程で行われます。その中で、電子伝達系では、光化学系Ⅱから光化学系Ⅰへと電子が受け渡されます。反応は名称の数字と逆で起きると覚えましょう。光化学系Ⅱでは水が分解され、光化学系ⅠではNADP⁺の還元が行われます。

(解答)✖ Ⅰ→Ⅱ
チラコイドにおいて水が酸素と水素に分解される反応は光化学系Ⅱと呼ばれています。

光化学系Ⅱで生じた電子はプラストキノンに伝達される?

光化学系Ⅱの過程で、吸収された光子のエネルギーから高エネルギー電子が発生します。これらの電子は電子伝達系の間に、プラストキノンに電子を渡します。その後、プラストキノンはプラストキノンプールに合成されます。プラストキノンの働きとして、大まかに二つあげられます。一つ目は、反応中心の光反応による電子反応をキノン、キノールの二つに分解することです。二つ目は、細胞膜中に埋め込まれたプラストキノンの集合体がキノンまたはキノールを膜中に蓄積することで、光化学系と酸化還元反応の間の橋渡しをすることです。これらが、プラストキノンの押さえておくべき点です。

(解答)〇

【参考資料】
光合成研究 自然科学研究機構 分子科学研究所 人工分子で光合成系を組み立てる:キノンプールとその周辺 https://photosyn.jp/journal/sections/kaiho56-5.pdf

光リン酸化反応ではADPが合成され、ストロマでの反応に使われる?

チラコイド内腔に蓄積したH⁺はATP合成酵素を通ってストロマに放出されます。これは、ミトコンドリアでATPが合成される際と同様です。

(解答)✖ ADP→ATP
光リン酸化反応ではATPが合成され、ストロマでの反応に使われます。

カルビンベンソン回路においてNADPHはリブロース二リン酸(RuBP)と二酸化炭素を反応させる酵素として働く?

ルビスコとは、カルビン・ベンソン回路において1分子のRuBPにCO₂を付加し、2分子のPGAを生成する酵素です。一方で、RuBPにO₂を付加してホスホグリコール酸を一分子ずつ生成する反応も触媒します。ホスホグリコール酸とはカルビン・ベンソン回路の阻害剤の役割を担っているため、ATPを消費してホスホグリコール酸をPGAに変えるこの反応は、O₂を消費してCO₂を生成するため、光呼吸とも呼ばれています。

(解答)✖ NADP→ルビスコ(RuBisCO)