ランダム化(無作為化)とは?

割り付けの流れ

割り付けの流れは大きく分けて以下の6つになります。
①割り付け因子の確認
②層別化
③ブロック化
④ランダム化
⑤群分け
⑥p値の確認

Excelを使用します。

①割り付け因子の確認

・割り付け依頼者に割り付け因子を確認する
・基本的に性別年齢の2因子は必要(この2つは結果に大きく影響するため)
・3つ目の要因として、特に指定がない場合はBMIを使用する(試験内容によって必要かどうか確認する)

例:割り付け因子が性別・年齢の場合

1)被験者情報から、各シートに男女を分ける
2)年齢順に並べる(データの並べ替え)
 ①セルを年齢列の一番上(空欄)に置く
 ②リボンの「データ」を選択
 ③並べ替えの「AZ→」を選択

②層別化

・割り付け因子の優先順位に従い層を作る

例:募集条件40歳以上の男女の試験で、2要因(性別・年齢)でランダム化したい場合
  下記の6層を作る

(1)男性 40歳以上50歳未満
(2)男性 50歳以上60歳未満
(3)男性 60歳以上
(4)女性 40歳以上50歳未満
(5)女性 50歳以上60歳未満
(6)女性 60歳以上

③ブロック化

層別化で分けた層ごとにブロック化する

例:40歳以上50歳未満の層を2名ずつのブロックに分ける
  この層に〔41歳,42歳,43歳,44歳,45歳,46歳,47歳,48歳,49歳〕の9名いる場合
  以下のようなブロックに分ける

※層の人数によってブロック内が1名になることがありますが、問題ありません。

④ランダム化

ブロックで割り振られるパターンについて、ランダム化する

例:A群とB群の2群に振り分ける場合
  {AA,AB,BA,BB}の4パターンがありますが、重複を省いて{AB,BA}の2パターンになる

1)パターンを記入する

2)RAND関数を用いて、ランダムな値を生成する

  関数:=RAND()
  上記の関数は0以上1未満の小数をランダムに生成する
  ※この関数はセルを再計算するたびに異なる値を生成する

3)RANK関数を用いて、順位付けする

関数:=RANK(数値,参照,[順列])
   数値:ABまたはBAのセル選択
   参照:AB、BAのセル選択
   順列:「0:降順」
上記の関数は、データセット内の各値の順位を付けるために使用される

①あらかじめ1(1位)を採用すると決めておく
② 2)でランダムに生成された値を、上記関数を用いて順位付けする

例:RANK関数を用いて順位付けする
  RAND関数で、ABのパターンは「0.29…」、BAのパターンは「0.50…」の値を生成
  RANK関数で順位付けすると、ABのパターンが「2」、BAのパターンが「1」と順位付けされた

BAのパターンが「1」と順位付けされたので、{41,42}のブロックは『41歳の被験者17がB群』、『42歳の被験者16がA群』に割り付けされた

4)パターンの採用

・先に説明したように、RAND関数で生成された値はセルの再計算や、ファイルを開くたびに異なる
 値を生成するため、採用するパターンもその都度変わる
・RAND関数の値が変わるたびに採用するパターンも連動して変わるように、IF関数を用いて設定する

関数:=IF(論理式,[値が真の場合],[値が偽の場合])

論理式:K4=1(セルK4のRANK関数が「1」の場合)
値が真の場合:I4(ABを採用する)
値が偽の場合:I5(BAを採用する)

⑤群分け

上記手順でランダム化された群に被験者を振り分ける
④ー4)と同様に、IF関数を使用して群分けを行う

論理式:L4=”AB”(セルL4がABの場合)
値が真の場合:G4(41を採用)
値が偽の場合:H4(42を採用)

⑥p値の確認

1)p値の確認

割り付け因子について有意差がないことを確認する
(基本的にp<0.05で有意差ありと判断される)

・t検定を使用する
関数:=TTEST(配列1,配列2,検定の指定,検定の種類)

配列1:A群の列
配列2:B群の列
検定の指定:片側検定(1)、両側検定(2)
検定の種類:等分散が仮定される対をなすデータの場合(1)
      等分散性が仮定される独立した2標本の場合(2)
      等分散性が仮定されない2標本の場合(3)
t検定については本サイト内にて説明しておりますので、そちらをご参照ください。)

・p値が安定するまで何度も繰り返す
・優先順位に基づいて、層別化、ブロック化し、ランダムにパターンを採用し、p値も確認した
 という部分を抑えていれば何度も繰り返して問題ない
※先に説明したように、RAND関数は変化するのでp値が安定した時点でコピーを作成する
 (値の貼り付け)

・ブロック化の際に奇数になったところは「0」と表記され、p値に影響するので
 コピーで改めてp値を確認する必要がある
・「0」を削除し、改めてt検定を行いp値を確認する

2)全ての被験者を合わせたp値の確認

・上記の割り付けは女性の被験者だけなので、男性も同様に割り付けを行い、
 最終的に全被験者をA群とB群に割り付けた際に有意差がないか確認する

⑦被験者の群分け

割り付けたA群・B群に従って、被験者を群分けする
被験者番号(ID)に「a」または「b」を付け、群をわかりやすくする