ランダム化とは?

 ランダム化は、無作為化ともいわれ、ある集団からから複数のグループを作る際に、無作為に振り分ける(割り付ける)ことやその方法を指します。無作為に割り付けられた複数のグループ間には、統計上差異がないものとし、すべてのグループが同じであるとみなすことにより、介入の効果に対する影響を減らします。

臨床試験とランダム化

 臨床試験では、介入を行った場合と介入を行わなかった場合(プラセボ群)の結果の違いを明らかにすることが目的です。そのため、介入以外の年齢、性別などといった要素はできるだけ等しくなる介入群とプラセボ群を用意することが重要です。大規模な試験では、被験者数も多いため、介入群とプラセボ群の差異は少なくなりやすくなりますが、被験者数が少ない場合、ランダム化には工夫が必要となります。

ランダム化の方法

 ランダム化の方法は、コンピュータを用いる方法が現在は一般的です。コンピュータが乱数を作り割り付けます。その他には、乱数表を用いる、サイコロを振る、コインを投げるなどの方法もあります。

単純ランダム化

 単純ランダム化は、介入群とプラセボ群の被験者数を1:1とし、1/2の確率で割り付けていく方法です。しかし、1/2の確率で割り付けていっても、必ずしも同数になるわけでもなく(例:40名を1/2の確率で割り付けると、20名と20名、19名と21名、18名と22名等)注意が必要です。通常は、識別番号を用いて、被験者の登録順に割り付けます。この方法では、群間に被験者のバックグラウンドに差が生じる可能性があります。

ブロックランダム化

 一定人数ごとに、ブロックを作成し、無作為に割り付ける方法です。ブロックランダム化のメリットは、割り付けるグループ内の人数をほぼ同数にできることです。また、ブロックサイズを大きくするとどちらの群に割り付けるという法則を見破られにくくできます。ただし、各群の人数をほぼ同数にするには、ブロックサイズは小さいほうが良いです(最後のブロックは、被験者数がブロックサイズより小さくなり、同じ数ずつ割り付けられるとは限らなくなる)。

例 <4名を1ブロックとした場合>

A群またはB 群に割り付ける組み合わせ 4C2=6

AABB             BBAA

ABAB             BABA

ABBA             BAAB

<6名を1ブロックとした場合>

A群またはB 群に割り付ける組み合わせ 6C3=6

AAABBB       BBBAAA

AABABB       BBABAA

AABBAB       BBAABA

AABBBA       BBAAAB

ABAABB       BABBAA

ABABAB       BABABA

ABABBA       BABAAB

ABBAAB       BAABBA

ABBABA       BAABAB

ABBBAA       BAAABB

どのブロックにどの順列組合せを割り付けるかは、あらかじめランダムに決定しておきます。被験者はどのブロックに属するか決定されたときに、そのブロックに割り当てられた順列組み合わせに従い各群に割り付けられます。

 また、どちらに割り当てられたかわかりにくくする(盲検性を高める)ために、1つの試験で同じブロックを使い続けるのではなく、複数のブロックサイズを合わせて用いたり、割り付けの担当者以外にはブロックサイズがわからないようにしたりする方法をとることもあります。

層別ランダム化

 単純ランダム化及びブロックランダム化は、各群の被験者数をほぼ等しくするように割り付ける方法ですが、各群の被験者数がそもそも少ない場合、被験者のバックグラウンド(年齢、性別、身長、体重等)に大きく差が生じる可能性があります。群間で結果に影響を与える要因に差がなくなるように考慮して割り付ける方法の一つに層別ランダム化があります。差がなくなるようにしたい要因を層に分け(例えば男性と女性に分ける)、その中でブロックランダム化を行います。層に分ける要因は複数でもよく、組み合わせた層を作成し、割り付けます。

 例

                 考慮する要因 BMIが25以上か未満か & 性別 → 4層に分ける

                 BMI≧25 女性      BMI≧25 男性

                 BMI<25 女性       BMI<25 男性