脂質の栄養素としての役割

脂肪酸の種類

中性脂質の性質は、脂肪酸に由来します。例えば、常温で固体となる脂身にはパルミチン酸やステアリン酸が多く、常温で液体の植物油にはリノール酸が多く含まれています。油多くの脂肪酸がありますが、以下の「バス降りれん、あら移動」の語呂合わせで覚えてみてください。

ルミチン酸:パーム油から発見

テアリン酸:動物油に多い

レイン酸:オリーブ油から発見

ノール酸:植物油に多い

リノレン酸:亜麻仁油にα-リノレン酸が多い

アラキドン酸:多くの生理活性物質の原料

コサペンタエン酸:エイコサペンタエン酸とも。略はIPAやEPA。

コサヘキサエン酸:DHAと略される。上記と共に魚油に多い

人体で合成できない必須脂肪酸

脂質は不足すると疲労しやすくなったり免疫力が低下したりします。 中性脂質を構成する脂肪酸の中で、人体で合成することのできない脂肪酸は必須脂肪酸と呼ばれます。ビタミンが必須であることは多くの人が知っていますが、脂質にも同じような存在があることは、意外と知られていません。植物油に含まれるリノール酸リノレン酸魚油に含まれるドコサヘキサエン酸イコサペンタエン酸が必須脂肪酸に該当します。健康なイメージのある、オリーブ油のオレイン酸やココナッツオイルのラウリン酸は、意外と必須な脂肪酸ではありません。

参考資料

・ユーキャンの食生活アドバイザー検定三級 第三版 自由国民社 p36~37
・新食品・栄養科学シリーズ 食品学総論 食べ物と健康1 第三版 森田潤司 成田宏史p56~68
・女性の美学 https://josei-bigaku.jp/sibouhutoranai27577/ 
・食と健康の総合サイト e840.net  https://nutrition.e840.net/n50200000.html

・講義動画:https://youtu.be/d8oG39mI8bE