脂質の栄養的な役割

脂質は水に溶けにい天然物と広く定義されており、栄養素の中で最も大きいエネルギーを得ることができます。エネルギー源だけでなく、クッションのような役割をになったり、ホルモンなどの生理活性物質の材料にもなります。

脂質は飽和脂肪酸不飽和脂肪酸などといった脂肪酸により構成されます。更に、脂質を分類すると、中性脂肪コレステロールリン脂質などがあります。

脂質の種類

中性脂肪
食品に含まれる脂質の大部分を占めています。1g当たり9kcalのエネルギーを生み出し高カロリーな成分となります。体脂肪として貯蔵され、内臓を保護したり、耐熱の発散などを防ぎます。

健康診断の結果表ではTGといった記号で表示されるため、自身の数値を見たことがある人もいるのではないでしょうか。これはトリグリセリドまたはトリアシルグリセロールの略となっています。トリグリセリドは、グリセリンと脂肪酸から構成されていて、脂肪酸が分解されて吸収されます。

コレステロール
ヒトの体には重要な成分であり、1日に1000~1500mgほどのコレステロールを必要とします。そのうち、7割を体内で生成し、残り3割を食事から摂取します。
コレストロールは細胞膜の構成成分となったり、胆汁やホルモンの生成に必要な成分となっており、生体にはかなり重要な成分となっています。しかし、増えすぎると、動脈硬化、心筋梗塞、狭心症や脳梗塞などの原因となるため、コレストロール量の調節が重要になります。

脂質を多く含む食品

サラダ油、てんぷら油、バター、マーガリン、 脂肪の多い肉、乳製品、ナッツ等

必要な摂取目安

成人で1日に必要なエネルギーの20~25%ほどを脂質からとるのがよいといわれています。これは1日2,000kcal必要な人では、脂質はおよそ50gにあたります。脂質を1日に50gとる場合、調理や食べる時に使う油脂は15gほどが適量の目安となります。これは、朝食のトースト用バターに薄く塗った場合の目安量である5gと、昼食または夕食での油料理1食分、例えば、天ぷらやフライなど1人前に含まれる油10gを合計した量となります。一般的な食生活を想像すると、かなり超えてしまいがちな栄養素だとも言えます。

もし、脂質を必要以上に摂取してしまった場合必要なエネルギーでの消費から余った脂質は中性脂肪として主に脂肪細胞に貯蔵されます。現在、食生活の欧米化により日本人の脂質摂取量は増え、むしろ栄養過多状態による肥満や脂質異常症メタボリックシンドローム動脈硬化などといった生活習慣病が問題となっています。

脂肪酸

中性脂質の性質は、脂肪酸に由来します。例えば、常温で固体となる脂身にはパルミチン酸やステアリン酸が多く、常温で液体の植物油にはリノール酸が多く含まれています。油多くの脂肪酸がありますが、以下の「バス降りれん、あら移動」の語呂合わせで覚えてみてください。

ルミチン酸:パーム油から発見

テアリン酸:動物油に多い

レイン酸:オリーブ油から発見

ノール酸:植物油に多い

リノレン酸:亜麻仁油にα-リノレン酸が多い

アラキドン酸:多くの生理活性物質の原料

コサペンタエン酸:エイコサペンタエン酸とも。略はIPAやEPA。

コサヘキサエン酸:DHAと略される。上記と共に魚油に多い

必須脂肪酸

脂質は不足すると疲労しやすくなったり免疫力が低下したりします。 中性脂質を構成する脂肪酸の中で、人体で合成することのできない脂肪酸は必須脂肪酸と呼ばれます。ビタミンが必須であることは多くの人が知っていますが、脂質にも同じような存在があることは、意外と知られていません。植物油に含まれるリノール酸リノレン酸魚油に含まれるドコサヘキサエン酸イコサペンタエン酸が必須脂肪酸に該当します。健康なイメージのある、オリーブ油のオレイン酸やココナッツオイルのラウリン酸は、意外と必須な脂肪酸ではありません。

参考資料

・ユーキャンの食生活アドバイザー検定三級 第三版 自由国民社 p36~37
・新食品・栄養科学シリーズ 食品学総論 食べ物と健康1 第三版 森田潤司 成田宏史p56~68
・女性の美学 https://josei-bigaku.jp/sibouhutoranai27577/ 
・食と健康の総合サイト e840.net  https://nutrition.e840.net/n50200000.html

・講義動画:https://youtu.be/_8q6Pnm2U5A