穀物:主に含まれる物質と物性

小麦に特有な成分であるゼインは混ねつすることにより網状構造をつくる?

小麦はグリアジングルテニンからなり、グルテンはこれら小麦中に含まれるたんぱく質のグリアジンとグルテニンに水を加えて混ぜることで生じます

グリアジンには粘着性が強く糸状に伸びる性質を持っています。そしてグルテニンは弾性が強い為、これら二つを混ぜる(混ねつする)ことで網状構造をとりグルテンとして粘弾性の性質を持つようになります。
この性質はパン作りなどにも利用されています。

(答え) グルテン
小麦に特有な成分であるグルテンは混ねつすることにより網状構造をつくる。

《参考文献》
グルテンの形成について 料理科学の森
https://ryourikagakunomori.jp/2019/03/30/%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%86%E3%83%B3%E3%81%AE%E5%BD%A2%E6%88%90%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%A6/

グルテンを構成するグリアジンは粘着性、グリシニンは弾力性に関係する?

『小麦に特有な成分であるゼインは混ねつすることにより網状構造をつくる?』の解答解説をご参照ください。

(答え) 後者グルテニン。グリシニンは大豆
グルテンを構成するグリアジンは粘着性、グリテニンは弾力性に関係する。

中華めんは、小麦粉に酸性の水を加えてタンパク質を変性させたものである?

『小麦に特有な成分であるゼインは混ねつすることにより網状構造をつくる?』の解答解説にも記載させていただいた通り、小麦の持つ二つのグリジアンとグリテニンの二つに水を加える混ねつすることで粘弾性のあるグルテンが生成されます。

その際の特徴とて複数あるのでご紹介したいと思います。

①混ねつの注意点
混ねつの際、ゆっくりと水を加えながら混ねつした方が一度に多量水を加えるよりもグルテンが形成されやすくなります。

➁気候条件
日本の夏のような高温多湿の気候での長期保存はグルテン形成は難しいと言われています。

③グルテン産生量
強力粉ではグルテンは多量生成されますが、薄力粉ではグルテンは少量しか生成されません。

④粘弾性
こね始めた時点では粘弾際は弱いです。しかしこねるにつれ粘弾性が強まり、しばらく放置するとより伸展性が高まります。

⑤添加する物質による性質の違い
食塩を加えると…
酵素の働きと発酵の進行を遅らせます。更には粘弾性の低下がみられます。
砂糖を加えると…
少量の添加では、粘弾性は減少してしまいますが、伸展性や安定性は画然と向上します。しかし大量に添加すると砂糖は親水性が強いことからグルテン形成の阻害をしてしまいます。

⑥加える水の違い
アルカリ性の水を加えるとグルテンに作用することで伸展性が増します。よって中華めんなどに利用されます。
よって中華麺を作る際には灌水が添加されます。灌水とは炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム等の混合溶液を指します。これらを加えることで弱アルカリ性に変化させ伸展性を増加させます。
弾力性の飛んでいるpHはpH7~8といわれています。

これらの性質から以下の答えのように間違いをただすことが出来ます。

(答え) アルカリ性
中華めんは、小麦粉にアルカリ性の水を加えてタンパク質を変性させたものである。

《参考文献》
グルテンの形成について 料理科学の森
https://ryourikagakunomori.jp/2019/03/30/%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%86%E3%83%B3%E3%81%AE%E5%BD%A2%E6%88%90%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%A6/