水産食品の化学的性質

血合肉の赤褐色は、ミオグロビンやチトクローム含量が高いことに起因する?

魚には身が白い白身魚と赤色や暗赤色の赤身魚などが存在します。これらの実の部分は魚の肉となるわけですが、更に暗赤色の部分は特殊で魚の筋肉にあたるといわれています。この部分を血合肉と称しているのです。
よって一般的に運動量が多いと言われている赤身魚に多く血合肉が存在し、運動量の少ない白身魚では少ない傾向にあります。

この血合肉が赤い原因は、他の部分に比べて酸素を保持するミオグロビンという色素タンパク質が存在するからです。ミオグロビンとは鉄(ヘム)が含まれており、鉄分の摂取にも効果的な成分です。
しかしミオグロビンは一般的な酸素濃度においては酸素を放出することはなく、筋肉中の酸素濃度が低下した際でのみ、放出が促されます。

(答え) 〇

【参考文献】
魚肉の新鮮度とミオグロビンの関係について 工藤豊条 仲田陽子 砦田中紀
http://repo.kyoto-wu.ac.jp/dspace/bitstream/11173/1113/1/0100_016_004.pdf
ヘモグロビンとミオグロビンの違いは? ヘルシーパスブログ
https://www.healthy-pass.co.jp/blog/20150109-2/

赤身魚はミオゲン系のたんぱく質を多く含み、そのため煮ると硬くなる?

魚の筋繊維の主成分はミオゲンと呼ばれるタンパク質で、ミオゲンの含有量によって身のほぐれやすさが異なってきます。一般的に白身魚の含有率が約20%、赤身魚の含有率が約30%といわれています。よって白身魚のほうがほぐれやすく、赤身魚のほうが身がしっかりしているのです。
更にミオゲンは火を通すことで固まる性質があります。よって火を通すことで赤身魚はよりしっかりと硬くなるのです。

(答え) 〇

【参考文献】
白身魚の身がほぐれやすい理由 水槽レンタル神奈川
https://maribu-aqua.com/shiromizakana-hogureyasui

魚介類の水分活性は一般に低く、微生物による腐敗が起こりやすい?

まず水分活性についてご紹介します。
食品中の水分は、食品成分と結合した“結合水”と、微生物が利用可能な“自由水”から成り、食品の貯蔵性、安全性、物性などは、自由水の量に影響を受けます。この食品中の自由水の量を反映する指標となるのが水分活性です。
水分活性は0~1の数字で表され、水分のない食品は0、純水(すべて自由水)は1となります。

魚介類の水分活性は0.98~0.99と非常に高いです。よって、微生物による腐敗が起こりやすいのです。

(答え) 高い
魚介類の水分活性は一般に高く、微生物による腐敗が起こりやすい

【参考文献】
水分活性値とは?食品の水分活性の関係について 脱炭素剤「エージレス®」コラム
https://www.mgc.co.jp/special/column/water-activity/