機能性食品に含まれる有効成分

「血圧が高めの方」に適する関与成分は?

(答え)
オリゴペプチド(ラクトトリペプチド、カゼインドデカペプチド、サーデンペプチド)
生体内で血圧調整を行っているレニン・アンジオテンシン系の中で、主に肝臓から分泌されるアンジオテンシノーゲンがレニンによってアンジオテンシンⅠに変換され、次にアンジオテンシン変換酵素(ACE)の作用によって、アンジオテンシンⅡに変換されます。このアンジオテンシンⅡは強力な血管収縮作用をもち、これにより血圧が上昇します。
上記のペプチドは、ACEの働きを阻害することにより、アンジオテンシンⅡの生成を阻害して血圧の上昇を抑制します。

②ゲニポシド酸(杜仲葉配糖体)
副交感神経を刺激することにより、動脈の筋肉を刺激して血管を広げます。抵抗が減ったことにより血流の流れがよくなり、血圧が下がります。

③GABA(γアミノ酪酸)
末梢交感神経の亢進を抑え、血管収縮作用のあるノルアドレナリンの分泌を抑えることにより、血圧を低下させます。

まとめ-「血圧が高めの方」に適する関与成分

【参考文献】
特定保健用食品 薬事情報センター 一般社団法人愛知県薬剤師会
https://www.apha.jp/medicine_room/entry-3757.html
東京アカデミー.2020年版 管理栄養士国家試験対策 完全合格教本 下巻.
七賢出版株式会社,2019,280~281p

CMM(クエン酸リンゴ酸カルシウム)やCPP(カゼインホスホペプチド)の許可表示は?

CMM(クエン酸リンゴ酸カルシウム)
CCMは、カルシウム(Calcium)、クエン酸(Citric Acid)、リンゴ酸(Malic Acid)の頭文字を取ったもので、これらを一定の比率で配合しており、さらにカルシウムの(酸性が強い胃では溶けるが、中性からアルカリ性の腸では溶けにくい)弱点を改善し酸性からアルカリ性まで広範囲で溶けるようにされています。そのため食品の中では、牛乳よりもカルシウムの吸収がよいとされています。
またCCMは、カルシウムと鉄と一緒に摂るとカルシウムが鉄の吸収を阻害するという作用をやわらげます。

CPP(カゼインホスホペプチド)
牛乳タンパク質のカゼインに酵素を作用させて得られたもので、カルシウムとリンなどが結合してできる不溶性塩の生成を防止し、カルシウムが吸収しやすい状態にして、小腸下部での溶解性カルシウムの量を増加させます。酸性条件下では安定性が高いが、アルカリ条件では成分のホスホセリンのリンがはずれてしまい効果を失います。

フラクトオリゴ糖
フラクトオリゴ糖は難消化性のため大腸まで到達して、大腸内を酸性にしてカルシウムを溶かし、吸収を助けます。
カルシウムの吸収の低い人には吸収を促進し、高い人には促進作用を示さないため、過剰摂取による高カルシウム血症を引き起こす心配はありません。

(答え) カルシウムの吸収を助ける

【参考文献】
特定保健用食品 薬事情報センター 一般社団法人愛知県薬剤師会
https://www.apha.jp/medicine_room/entry-3757.html