ビタミン(食生活アドバイザー対策)
ビタミンに関して、10問の正誤式の問題があります。見出し(目次)の文章を正しいか間違っているかを考え、間違っている場合は正しい表現を考えてみて下さい。
※このページの趣旨はカテゴリーページ「食生活と健康」を参照してください
目次
- 1 ビタミンは、微量ではからだの調子を整えることはできない?
- 2 ビタミンは、植物性食品には豊富に含まれているが、動物性食品からの摂取はほとんどない?
- 3 ビタミンは体を構成する成分やエネルギー源にもなる?
- 4 ビタミンA、C、D、Eは脂溶性ビタミンであり、過剰に摂取すると過剰症を引き起こす場合がある?
- 5 ビタミンCは脂溶性ビタミンで、脂にとけやすい性質?
- 6 水溶性ビタミンは、水に溶けやすいが、過剰に摂取すると体内に蓄積される?
- 7 ビタミンEには、目の角膜を正常に保つという働きがある?
- 8 カルシウムの吸収を助けるのはビタミンA?
- 9 パントテン酸は造血作用や皮膚の健康に関与し、妊婦に付加量が必要とされている?
- 10 ビタミンDには血液を凝固させる働きがあり、納豆やひじきに多く含まれる?
- 11 講義動画
ビタミンは、微量ではからだの調子を整えることはできない?
【ビタミンとは】
ビタミンは、生体の機能を正常に保つ為に必須の栄養素であり、ごく微量で他の栄養素の働きをスムーズにする潤滑油のような役割をしている。ビタミンの必要量はとても少ないが、体内でほとんど作ることができない為、食べ物から摂ることが必要である。さらに、欠乏することで欠乏症状が現れる。
【ビタミンの主な欠乏症】
*脂溶性ビタミン

*水溶性ビタミン

答え ×
ビタミンは、微量でからだの調子を整えることができる。
ビタミンは、植物性食品には豊富に含まれているが、動物性食品からの摂取はほとんどない?
【ビタミンと多く含まれる食品の例】
*ビタミンA
動物性食品…卵黄、レバー、うなぎ、うずら卵等
植物性食品…緑黄色野菜(人参、ほうれん草、春菊、小松菜、かぼちゃ)など
*ビタミンE
動物性食品…うなぎ、はまち、さけ、ツナ缶(まぐろ)など
植物性食品…小麦胚芽、植物油(特にひまわりやサフラワー)、種実類(アーモンド、ヘーゼルナッツ、落花生)など
*ビタミンB1
動物性食品…豚肉、レバー、うなぎなど
植物性食品…大豆、玄米、とうもろこし、枝豆、そら豆など
※上記のように、脂溶性、水溶性ビタミンともに動物性食品、植物性食品の両方から摂取ができる
答え ×
ビタミンは、植物性食品、動物性食品から摂取できる。
ビタミンは体を構成する成分やエネルギー源にもなる?
【ビタミンの役割】
ビタミンは、5大栄養素のひとつでエネルギー源や体をつくる成分ではないが、人が健全に成長し、健康を維持する働きをしている。つまり、ビタミンは他の栄養素がうまく働くために「機械の潤滑油のように働く役割」を果たしている

図の出典: https://www.kewpie.co.jp
答え ×
ビタミンは体を構成する成分やエネルギー源にはならない。
ビタミンA、C、D、Eは脂溶性ビタミンであり、過剰に摂取すると過剰症を引き起こす場合がある?
【水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンの分類】
【脂溶性ビタミンと過剰症】
脂溶性ビタミンは水に溶けないため、水溶性ビタミンのように尿として排泄されることがなく、体内では脂肪組織や肝臓に貯蓄され、毎日少しずつ生体で消費されていく。
また、ビタミン剤などの過剰投与により、脂溶性ビタミンが肝臓に蓄積されて起こる種々の障害をビタミン過剰症という。
答え ×
ビタミンA、K、D、Eは脂溶性ビタミンであり、過剰に摂取すると過剰症を引き起こす場合がある。
ビタミンCは脂溶性ビタミンで、脂にとけやすい性質?
【水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンの分類】
ビタミンには水に溶ける水溶性と油脂に溶ける脂溶性といった性質の分類がある。

答え ×
ビタミンCは水溶性ビタミンで、水にとけやすい性質である。
水溶性ビタミンは、水に溶けやすいが、過剰に摂取すると体内に蓄積される?
【水溶性ビタミンについて】
- 水溶性ビタミンとは水に溶けやすいビタミンの総称
- 加熱調理や水洗いによる損失が大きい
- 茹で物や煮物よりも蒸し物や炒め物が適している
- 過剰に摂取しても尿中に排出される
答え ×
水溶性ビタミンは、水に溶けやすく、過剰に摂取しても体内に蓄積されない。
ビタミンEには、目の角膜を正常に保つという働きがある?
【ビタミンAについて】
ビタミンAは主に動物性たんぱく質に多く含まれており、体内では主にレチノールとして存在するが、その他にもレチナール、レチノイン酸といった形でも存在する。食事からビタミンAを摂取すると脂質と一緒に小腸粘膜上皮細胞に吸収される。一定量は肝臓に貯蔵され、他は血液によって各組織のたんぱく質の結合し、以下のような働きをする。
- 視覚の調節
- 皮膚や粘膜を健康に保つ
- 体内を酸化から守る
- 免疫機能や生殖機能を維持し細菌に対する抵抗力を高める
また、食品中にはビタミンA以外に体内でビタミンAに変換されるプロビタミンA(ビタミンAの前駆体)というものがある。プロビタミンAは主に植物性食品に含まれ、赤や黄色の色素であるカロテノイドがよく知られており、β-カロテンは他のカロテノイドに比べて小腸粘膜で効率よくビタミンAに変換される。
答え ×
ビタミンAには、目の角膜を正常に保つという働きがある。
カルシウムの吸収を助けるのはビタミンA?
【カルシウムの吸収とビタミンD】
カルシウムは吸収率の低い栄養素のひとつと言われている。カルシウムを多く含む代表食材の牛乳・乳製品でも40~50%程度。小魚・海藻・野菜からは20~30%とかなり低い吸収率である。そこで力を発揮してくれるのがビタミンD。ビタミンDには以下に様な働きがある。
- ビタミンD(活性型ビタミンD)が小腸粘膜のカルシウム結合たんぱく質の合成を促進し、カルシウムの吸収を高める
- カルシウムとリンの吸収を助け、血中濃度を一定に保ち、骨や歯への沈着を促す
- 強い歯や骨の形成をサポートする
【活性型ビタミンDについて】

ビタミンDにはきのこ類、海藻類などの食品に多く含まれるプロビタミンD2の他、ヒトの皮膚の下にある皮下脂肪にも存在するコレステロールの1種であるプロビタミンD3があるが、これだけでは作用しない。
上記のようなビタミンDの前駆体が紫外線の作用でビタミンD2、D3に変換し、肝臓、腎臓にて水素化されることで活性型ビタミンDとなる。(図1、図2、図3)
また、この活性型ビタミンDが腸管でのカルシウム吸収を促進することで、丈夫な歯や骨を保ったり、腸管でのカルシウム・リンの吸収を助け、血中カルシウム濃度を一定に調節し、神経伝達や筋肉の収縮などが正常に行われる。
答え ×
カルシウムの吸収を助けるのはビタミンDである。
パントテン酸は造血作用や皮膚の健康に関与し、妊婦に付加量が必要とされている?
【葉酸の特徴と働き】
- 水溶性ビタミンの1種、化学名:プテロイルグルタミン酸
- 赤血球の生産に働く(=造血作用)
- たんぱく質と核酸(DNA、RNA)の合成に働き、体の細胞分裂、発育を促す
- 葉酸は細胞の分化に重要な役割を果たしているため、特に細胞の分化が盛んな胎児には必要不可欠なビタミンである。そのため、妊娠、授乳期には付加量が定められており、摂取不足は胎児の神経管閉鎖障害のリスクを高める
- ホモシステインの代謝に関わっている。葉酸が欠乏すると血中のホモシステイン濃度が高まり、動脈硬化症のリスクが高まる
- あさり、レバー、大豆、青菜(モロヘイヤ、ほうれん草、春菊など)、ブロッコリー、枝豆などの食品に豊富
【パントテン酸の特徴と働き】
- 水溶性ビタミンの1種
- ストレスへの抵抗力をつける(=副腎皮質ホルモンの生産)
- 善玉コレステロールを増やす
- 免疫抗体の産生に働く
- 自律神経の働きの維持
- 光や空気に安定。熱、酸、アルカリに不安定
- 腸内細菌からも合成される
- レバー、牛乳、魚類に豊富
答え ×
葉酸は造血作用や皮膚の健康に関与し、妊婦に付加量が必要とされている。
ビタミンDには血液を凝固させる働きがあり、納豆やひじきに多く含まれる?
【ビタミンKの特徴と働き】
- 脂溶性ビタミンの1種
- 化学名:ビタミンK1→フィロキノン、ビタミンK2→メナキノン
- 血液凝固因子(=プロトロンビン)を合成する
- 骨にカルシウムが沈着するのを助ける
- ワーファリンの作用を阻害する
- 脂肪の摂取量が少ない→ビタミンKの吸収量低下
- 腸内細菌からも合成される
- 抗生物質の長期投与時には必要量が増加
- 納豆、青菜(モロヘイヤ、ほうれん草、春菊など)、ブロッコリー、干しひじき、抹茶などの食品に豊富
答え ×
ビタミンKには血液を凝固させる働きがあり、納豆やひじきに多く含まれる。