食中毒と予防

 食中毒と予防に関して、10問の正誤式の問題があります。見出し(目次)の文章を正しいか間違っているかを考え、間違っている場合は正しい表現を考えてみて下さい。

※このページの趣旨はカテゴリーページ「食生活と健康」を参照してください。

食中毒は夏季に集中し、冬場にはほとんど発生しない。

答え ×

食中毒は夏季だけでなく、冬場にも発生する

【食中毒の分類】

①細菌性

  • 感染型:食品中で増殖した菌そのものによる食中毒
  • 毒素型:食品中の菌が増殖中に産生した毒素による食中毒
  • 中間型:食品中に増殖した菌が摂取され、さらに腸管内で増殖中に産生された毒素による食中毒

 ※細菌は高温多湿を好んで増殖するため、細菌性食中毒は夏季や梅雨の時期に多く発生する

②ウイルス性:ノロウイルス(小型球形ウイルス)などによる食中毒

 ※1年を通して発生するが、特に冬に流行する

③自然毒

  • 植物性:植物の毒性による食中毒
  • 動物性:動物の毒性による食中毒

④化学性:有害化学物質による食中毒

⑤その他:アレルギー様食中毒

病原微生物が増殖する条件は、湿度、温度、酸素の3つである。

答え ×

病原微生物が増殖する条件は、湿度、温度、栄養素の3つである。

【食中毒菌の発育に必要な3条件】

 ①温度

 細菌の増殖には温度が最も大きな要素となる。すべての細菌はそれぞれ増殖に適した温度(至的温度)と増殖温度範囲がある。一般的に20℃~40℃が適温帯で、35℃前後でよく増殖する。

 水分

 細菌は水に溶けている栄養分を分解して摂取するため、水分のない食品では増殖することができない。水分活性を0.5Aw以下に抑えることができれば、どんな微生物の増殖も防ぐことができる。

③栄養素

食品や残菜、有機物汚れは細菌の栄養素になる。また、調理器具についた食品や汚れも細菌の栄養となる。高たんぱく質食品は細菌にとって、最良の栄養源となる。

参考URL:

https://www.kao.co.jp/pro/food_poisoning/basic/factor.html

かつて日本の食中毒の原因菌の第1位は腸炎ビブリオであったが、最近はサルモネラが圧倒的に多くなっている。

答え ×

かつて日本の食中毒の原因菌の第1位は腸炎ビブリオであったが、最近はカンピロバクターが圧倒的に多くなっている。

【2018(平成30)年食中毒発生状況】

(表1)挿入

「厚生労働省 平成30年食中毒発生状況」より

ノロウィルスは真水に弱いので、魚介類などを真水で洗うことが予防策になる。

答え ×

腸炎ビブリオは真水に弱いので、魚介類などを真水で洗うことが予防策になる。

【腸炎ビブリオ】

 ■主な特徴

  1. 好塩性(至適食塩濃度3%)
  2. 通性嫌気性菌
  3. 淡水、酸、熱に弱い
  4. 海水温度15℃以上で増殖する

 ■原因食品、その他

  1. 魚介類(主に海水魚)
  2. 夏季に多い

【ノロウィルス】

 ■主な特徴

  1. 熱に弱く、加熱(85℃以上で1分間)により防げる
  2. 冷凍では死滅しない
  3. 酸に強い
  4. 症状:下痢、嘔吐、腹痛発熱を伴う胃腸炎

 ■原因食品、感染源、その他

  1. 生カキ、生シジミ、ハマグリ、ヒトの排泄物、水、非加熱食品など
  2. 食品中では増殖しない

腐敗とはおもに油脂などの劣化によって食品の色や味などが変わり、食用に耐えられなくなることをいう。

答え ×

変敗とはおもに油脂などの劣化によって食品の色や味などが変わり、食用に耐えられなくなることをいう。

【変敗とは】

食品が本来の性質を失って、食用に耐えない状態になること。微生物による腐敗、空気中の酸素による酸化などを全体的にいう。

食中毒の危険性は、食品の外見や臭いなどから判断できる。

答え ×

食中毒の危険性は、食品の外見や臭いなどからは判断できない

【食中毒予防の原則】

食中毒は、その原因となる細菌やウイルスが食べ物に付着し、体内へ侵入することによって発生する。細菌やウイルスは目に見えないため、どこにいる判断がつかないが、私たちの周りの至るところに存在している可能性がある。

食中毒を防ぐためには、細菌の場合は、細菌を食べ物に「つけない」、食べ物に付着した細菌を「増やさない」、食べ物や調理器具に付着した細菌を「やっつける」という3つのことが原則となる
 また、ウイルスの場合は、食品中では増えないので、「増やさない」は、当てはまらないが、ウイルスは、ごくわずかな汚染によって食中毒を起こしてしまうことが懸念される。ウイルスを食品に「つけない」を確実に実行するためには、調理者はもちろんのこと、調理器具、調理環境などの調理場全体がウイルスに汚染されていないことがきわめて重要になる。また、そのようなウイルスに汚染されていない調理環境をつくるには、調理場内にウイルスを「持ち込まない」、仮に持ち込んだとしても、それを「ひろげない」ことが重要である。

すなわち、ウイルスによる食中毒を予防するためには、ウイルスを調理場内に「持ち込まない」、食べ物や調理器具にウイルスを「ひろげない」、食べ物にウイルスを「つけない」、付着してしまったウイルスを加熱して「やっつける」という4つのことが原則となる

参考URL:

https://www.gov-online.go.jp/featured/201106_02/index.html

食中毒の原因は、細菌性、ウイルス性、自然毒の3種類に限られる。

答え ×

食中毒の原因は、細菌性、ウイルス性、化学性の3種類に限られる。

※「食中毒と予防」問題①解説参照

一般に「除菌」とは、有害な病原微生物を死滅させることを指しており、殺菌や滅菌と同じ意味合いで使われている。

答え ×

一般に「消毒」とは、有害な病原微生物を死滅させることを指しており、殺菌や滅菌と同じ意味合いで使われている。

【消毒】

 狭義では、病原微生物を死滅させること(殺菌など)あるいは病原微生物の能力を減退させ、病原性をなくすことであり、無菌にすることではない。類似してる概念として、滅菌や殺菌があるが、意味は異なる。

【除菌】  

 洗剤、石けん公正取引協議会の規約によると「物理的、科学的または生物学的作用により対象物から増殖可能な細菌の数(生菌数)を有効数減少させることをいう。ただし、当該細菌にはカビ・酵母などの真菌類は含まない」とある。

参考URL:

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B6%88%E6%AF%92

https://mainichi.jp/articles/20110613/mul/00m/100/004000c

食中毒の発生件数は毎年約3万人前後で推移しており、このうち発生件数が最多いのは、フグ毒やその他の自然毒による食中毒である。

答え ×

食中毒の発生件数は毎年約3万人前後で推移しており、このうち発生件数が最多いのは、細菌性食中毒である。

※「食中毒と予防」問題③解説参照

サルモネラ属菌は、人の化膿創などに存在し、化膿菌ともよばれ、エンテロトキシンという毒素を生み出す。

答え ×

黄色ブドウ球菌は、人の化膿創などに存在し、化膿菌ともよばれ、エンテロトキシンという毒素を生み出す。

【サルモネラ属菌(細菌性食中毒、感染型)】

  1. 熱に弱い(60℃、30分で死滅)
  2. 汚染率は殻つき卵より卵液の方が高い(割り卵の際、液卵中に殻表面の菌が混入するため)
  3. 8℃以下の低温では増殖できない
  4. 症状:下痢、腹痛、発熱
  5. 通性嫌気性菌
  6. 原因食品:食肉、卵及びその加工品、二次汚染された食品

【黄色ブドウ球菌(細菌性食中毒、毒素型)】

  1. 毒素:エンテロトキシン(耐熱性)
  2. 潜伏期間が短く、平均3時間
  3. 症状:激しい嘔吐、発熱はない
  4. 原因食品、その他:手指などの体表面、鼻、毛髪などに通常みられる。直接人の手が触れた弁当やおにぎりなど