試験食品(製品)の摂取による、食後血糖値の変化を調べる試験です。
目次
血糖値
血糖値は食後30~60分で一時的に上昇しますが、2~3時間後には空腹時の70~110㎎/dLに戻るようコントロールされています。
概要
試験概要
食後血糖値に対する試験食品摂取の影響を血液検査で評価する。
(1⃣米飯(デンプン)負荷試験と2⃣ショ糖負荷試験)
被験物
試験食品およびプラセボ
被験者
健常成人約10~15名(クロスオーバー法での実施)
1度に全員集めるのではなく、2~4名の単位で何度か実施する。
事前準備
・Dropboxの作成(試験や被験者の情報管理)
・使用機器の動作確認
・試験会場の設営
《下記書類の作成》
・同意書
・説明書
・参加確認用紙
・募集要項
・被験者名簿
※UMIN登録が必要な場合は、準備作業用のWordファイルに下書きを行い、登録します。
参照:UMIN事前登録準備
準備物
1⃣米飯負荷試験
・メディセーフフィットスマイル
・メディセーフチップ
・ファインタッチディスポ
・アルコール綿
・医療廃棄物用の袋
・試験食品(製品)
・プラセボ
・ごはん(300g/回)
・飲料水(コップ一杯)
・紙皿
・箸
・紙コップ
・醤油(個袋)
・電子レンジ
・温度湿度計
2⃣ショ糖負荷試験
・メディセーフフィットスマイル
・メディセーフチップ
・ファインタッチディスポ
・アルコール綿
・医療廃棄物用の袋
・試験食品(製品)
・プラセボ
・ショ糖(50g/回~)
※上白糖には転化糖(ブドウ糖&果糖)が含まれるためグラニュー糖で実施します。
・水(200ml/回~)
・電気ポット(お湯を沸かすため)
・紙コップ
・温度計(お湯の温度を測るため)
・温度湿度計
用意するショ糖や水の量は、試験品によって異なりますのでその都度確認してください。
試験実施における配慮
試験環境を事前事後で変えないようにすることが重要です
・試験会場、メンバーは同一で行う
・試験を実施する曜日や時間をなるべくそろえる
・被験者の男女比は2:1未満にする
・試験中は急な興奮やテンションを上げないようにする(平常を保つ)
・事前と事後で座る位置を指定する
・1⃣ご飯を温める際は、ワット数、秒数、温めてからの時間を全被験者で統一する
・2⃣お湯の温度をできるだけ統一する(約60℃)
・試験物またはプラセボの思い込みをなくす
試験の流れ
1⃣米飯負荷試験
① モニターには試験前日の21時以降、絶食状態にしてもらいます。
(翌日の9時まで12時間の絶食とします)
② 絶食状態で0分の血糖値を測定します。
③ 試験食品(製品)を先に摂取してもらい、その後ごはん(300g)を食べてもらいます。
醤油をかけて食べる場合は、1袋すべてかけて食べてもらいます。
(摂取する試験食品に間違いがないか確認する)
④ ごはんを食べてから、30分、60分、120分経過ごとに血糖値を測定します。
(できるだけ安静にして待ってもらいます)
※第Ⅰ期で醤油をかけた被験者は、第Ⅱ期でも同様に醤油をかけて食べてもらいます。
2⃣ショ糖負荷試験
① モニターには試験前日の21時以降、絶食状態にしてもらいます。
(翌日の9時まで12時間の絶食とします)
② 絶食状態で0分の血糖値を測定します。
③以下は一例です。摂取方法は試験品の性状によって異なります。
【試験食】
⑴試験食品のエキス末400㎎をお湯100mlに溶解
⑵ショ糖50gをお湯100mlに溶解
【コントロール】
⑴お湯100ml
⑵ショ糖50gをお湯100mlに溶解
※試験食・コントロールともに⑴を先に摂取します。
④ 試験食またはコントロールを飲んでから、30分、60分、120分経過ごとに血糖値を測定します。
(できるだけ安静にして待ってもらいます。)
試験品によっては、試験品とショ糖液を同時に摂取する場合もありますので、クライアント様の意向をご確認の上摂取方法を設定してください。
記録
測定時刻と血糖値を記入します。
分析・評価方法
t検定及び分散分析を用いて評価を行います。
使用する機器
血糖値の測定には、以下の機器を使用します。
・メディセーフフィットスマイル:血糖値測定器
・メディセーフチップ:測定チップ
・ファインタッチディスポ:穿刺具、穿刺針
詳しい使用方法についてはこちらの動画とPDFをご覧ください。
「メディセーフファインタッチディスポ」をご使用の方
使い方
①準備する
・血糖計、測定用チップ、針(ファインタッチディスポ)
・あらかじめ流水で手を洗い、清潔な状態にしてから、測定をはじめてください。
冬場など「寒い部屋に保管したチップと血糖計」を「暖かい部屋へ持って行って測定する」場合は、チップと血糖計を20分ほど測定する場所へ置いて温度をなじませてから測定してください。
温度変化により測定値に影響が出ることがあります。
※ファインタッチディスポは、感染に配慮し1回だけの使い切り使用となっています。
②測定用チップをつける
・キャップの両端の突起に指をかけ、ゆっくり引いてはずすと電源が入る。
・測定用チップのフィルムシールをすべてはがし、測定用チップを血糖計の先にまっすぐ押し込む。
すぐにチップケースを引き抜く。
・「ピピッ」と鳴って、「血液をつける」と表示される。
※「周囲の温度が低い」が出た場合は測定器の温度が低いことが想定されるので、温度になじむまで20分以上待つ。
③穿刺する
・ホルダーをしっかり保持し、保護キャップをねじ切り、引っ張って取り外す。
取り外した保護キャップはすぐに廃棄する。
・測定する指(穿刺する指)をアルコール綿などで消毒する。
(このとき、しっかり乾かす)
・針の先端部分を採決部位に押し当てて、「カチッ」という音がするまで針を押し付ける。
・指先を軽く押して血液を出す。(血液が2.5ミリの球状になるまで)
強く絞って血を出さないようにする。
④測定する
・「血液をつける」の表示を確かめる。
・測定用チップの先端を血液に軽くつける。「ピー」と鳴るまで先端をつけておく。
音が鳴ったら血液からすみやかに離し血糖計を静かに置く。
(本体を置いて、手を近づけても測定できる)
・「ピー」と音が鳴り、測定値が表示される。
⑤片づける
・空のチップケースをかぶせ、裏面にあるイジェクターを前に押し出してチップを外す。
・キャップをかぶせると、自動的に電源が切れる。
・使用後は測定用チップと針をそのまま廃棄専用容器に入れ、安全に廃棄する。