最終報告書作成マニュアル

今回は臨床試験の最終段階において最重要となる最終報告書作成におけるマニュアルについて、ご説明いたします。

最終報告書 内容

最終報告書作成の流れ

報告書の表紙
目次
Ⅰ. 本試験の要約
Ⅱ. 試験の目的
Ⅲ. 実施組織
Ⅳ. 倫理的事項
Ⅴ. 試験方法
Ⅵ. 試験結果
Ⅶ. 考察

これらの項目に分けて記載します。記載の際、フォントは揃えましょう(游明朝など)。
これより、それぞれに分けて記載内容や注意点について説明します。

表紙

報告書の表紙に書くべき項目

  1. 依頼会社名
  2. 題目「試験報告書」「試験名」
  3. 提出日
  4. 試験受託会社名

全体のフォントは14pptぐらいで見やすく
2.題目はフォントを大きめに(18pptぐらい)

目次

各項目のページナンバーを表示
目次は最後に確認してページ数を合わせましょう。

本試験の要約

試験全体の流れを短くまとめて記載しましょう

  • 試験における被験者の条件・区分・背景
  • 摂取期間、測定回数
  • 試験方法
  • 簡易的な結果および考察

試験の目的

本試験を実施するにあたり何を目的としたのかを明確簡潔に記載しましょう。

実施組織

試験に携わった組織名をすべて記載しましょう。
また記載する際にはその所在地も含めて記載しましょう。

1.試験委託者、2.試験受託者、3.試験実施施設

倫理的事項

法律に違反しないこと、基準に準じていることをあらわすために『倫理的事項』の記載が必須となります。
実際にヒトによる臨床試験を行う際には以下の項目を表記とします。

  1. 被験者の保護
  2. インフォームド・コンセント

試験方法

試験方法には試験の種類、試験品の説明、試験に使用する機器など全内容を細かく記載するように心がけましょう。

記載内容
1.試験デザイン
  例)プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験
2.試験品および提供者
 ・試験品名
 ・提供者
3.プラセボ
 『プラセボ』の説明
4.対象被験者の適格性
 1)選択基準
  被験者募集における条件
 2)除外基準
  被験者募集における除外基準
5.評価項目
  試験に使用したすべての評価項目
6.割付方法
  被験者を群分けする際の条件や人数の割合、群分けの年齢やBMIなどの平均値
7.介入
  試験品の摂取・使用量、摂取期間
8.観察・検査方法
  1)試験スケジュール
   事前測定や事後測定などの実施日程、測定時間の記載
  2)実施内容
   事前測定・事後測定共に測定実施内容を測定項目を含めすべて記載
  3)検査内容
   検査項目ごとに質問紙の内容や測定条件、使用機器などを記載
9.統計学的事項
  各評価項目に対して使用した統計学の分析方法を記載

試験結果

上記に記した『試験方法』の3)検査内容に記載した項目すべてにおいて表などを用いつつ結果を記載しましょう

1.解析対象者
  組み入れた被験者のうち、実際に解析対象となった人数
   (各群の年齢やBMIなどの平均値も記載)
2.結果
 『Ⅴ.試験方法』の8-3.検査内容に記載した項目すべてにおいて表などを用いつつ結果を記載する。
  実験結果に合わせて適切なグラフを示す。表・グラフは本文中で引用して説明する。

表:表番号・題目を表の上に記載。有効数字・単位に注意
図:図番号・題目を図の下に記載。有効数字・単位に注意

考察

試験結果を用いて有意差などから分析し、考察を記載しましょう。
考察は感想を述べるのではなく、結果から客観的に判断できることを記載します。
今後の試験にもつながるので、示唆される内容を熟考しましょう。

以上が、最終報告書を作成するうえでの作成マニュアルとなります。
参考文献の使用に関しては、そのほかレポートと同様に記載しましょう。
また報告書を作成するにあたり、語尾は「~した。」という風に常態を用いて作成しましょう。

結果によってその商品の今後が大きく左右されます。
臨床試験中は勿論、最終報告書の作成まで気を抜かず、責任感をもって作成しましょう。

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最終報告書_例
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