神経の興奮と跳躍伝導

静止電位(静止膜電位)

まずは静止電位についてです。静止電位とは興奮が起きていないときに細胞の電位を測った際、細胞内部は細胞外部に対して負の電荷をもっています。この電位差を静止電位といいます

細胞膜には、ATPのエネルギーを使ってNa⁺(ナトリウムイオン)を細胞外へと移動させているタンパク質(ナトリウムポンプ、ナトリウム-カリウムポンプ、Na+/K+-ATPアーゼ)があり、このタンパク質の働きにより静止電位が発生します。

神経細胞の興奮と活動電位

次に興奮についてですが、ニューロンなどの興奮性の細胞に閾値以上の刺激が加えられることで、その部分で一時的に細胞内外の電位が逆転します(内側が正、外側が負に) 。細胞膜におけるこの膜電位の変化を活動電位といい、この活動電位の発生を興奮といいます。

活動電位の発生において、静止電位、活動電位上昇期、活動電位下降期、活動電位過分極期に分けられます。しかし、活動電位の上昇期、下降期および過分極期では新たな刺激が加えられても上昇期にみられるようなNa⁺の急速な流入は起きないため、活動電位は発生しません。このような期間を不応期といいます。

ふぐ毒
ふぐ毒が危険だと言われている理由は、この活動電位発生の仕組みに関わっています。ふぐ毒であるテトロドトキシンは、活動電位を発生させるNa⁺チャネルを特異的に阻害します。そのことにより、感覚異常や四肢の麻痺、呼吸障害、意識障害を発生します。

これら神経の興奮と、次のページからの跳躍伝導について、以下の動画も参考になるかと思います。