神経の興奮と跳躍伝導

私達の感覚や思考などが生じるためには、神経細胞の特別な仕組みが必要です。それらは、神経細胞の静止膜電位、興奮、伝導といった現象です。神経細胞の仕組みを理解することにより、感覚や思考などの高度な機能が生じていく様子を想像してみて下さい。

静止電位

まずは静止電位についてです。静止電位とは興奮が起きていないときに細胞の電位を測った際、細胞内部は細胞外部に対して負の電荷をもっています。この電位差を静止電位といいます。基本的には静止電位は-90~60mVの範囲に存在しています。

細胞膜には電位変化に依存せず常に開口しているK⁺チャネルが存在します。K⁺は細胞の内外の濃度勾配に従ってこのチャネルから細胞外へと移動するため、静止電位が発生します。

興奮

次に興奮についてですが、ニューロンなどの興奮性の細胞に閾値以上の刺激が加えられることで、その部分で一時的に細胞内外の電位が逆転します。(内側が正、外側が負に)細胞膜におけるこの膜電位の変化を活動電位といい、この活動電位の発生を興奮といいます。

活動電位の発生において、静止電位、活動電位上昇期、活動電位下降期、活動電位過分極期に分けられます。しかし、活動電位の上昇期、下降期および過分極期では新たな刺激が加えられても上昇期にみられるようなNa⁺の急速な流入は起きないため、活動電位は発生しません。このような期間を不応期といいます。

ふぐ毒
ふぐ毒が危険だと言われている理由は、この活動電位発生の仕組みに関わっています。ふぐ毒であるテトロドトキシンは、活動電位を発生させるNa⁺チャネルを特異的に阻害します。そのことにより、感覚異常や四肢の麻痺、呼吸障害、意識障害を発生します。

興奮の伝導と跳躍伝導

軸索の途中に人工的に刺激を与えると、その部分の膜電位が逆転し活動電位を生じます。この際に、興奮部と隣接する静止部との間に流れる微弱な電流を活動電流といいます。

活動電流は隣接する静止部に活動電位を起こし興奮を伝えます。このように伝えていくことを伝導といいます。

【跳躍伝導】
有髄神経では、髄鞘が電気を通さない絶縁体である為、活動電流はランビエ絞輪を次々と伝わります。このように飛ぶように移動する興奮の移動を跳躍伝導といいます。 有髄神経は無髄神経よりも伝導速度は大きいです。また、伝導速度は軸索の直径の大きいものほど大きくなります。ですが、伝導速度は温度の影響もかなり受けるため、一概に速度を断定することはできません。

当サイトの『生物の感覚と神経細胞』のページにて、跳躍伝導について詳しく説明されているお勧め動画のURLを張っているのっでご参考ください。

参考資料

・スクエア 最新図説生物 二訂版 吉里勝利 阿形清和 倉谷滋 筒井和義 三村徹郎 p204~207
・ ビタミネ 情報伝達とミネラル https://vitamine.jp/bitat/colam24.html
・ ベネッセ 教育情報サイト 定期テスト対策高校理科
https://benesse.jp/teikitest/kou/science/biology/k00643.html
・ ベネッセ 教育情報サイト 定期テスト対策高校理科
https://benesse.jp/teikitest/kou/science/biology/k00643.html
・バイオック ニューロンの構造 http://manabubiology.com/archives/40113558.html