嗅覚の仕組み

身体の表面で外界からの刺激を受け取る場所は一般的に感覚器とよばれます。感覚器とは、目、鼻、耳、舌などヒトの生活に大きく影響を与える器官です。このページでは嗅覚についてご紹介いたします。

五感と呼ばれる聴覚、視覚、嗅覚、触覚、味覚の中で、視覚、聴覚がないと行動をするのにかなりの不便が発生するし、触覚がないと火傷などケガが絶えなくなりそうです。嗅覚も同様に、悪臭で危険を察知することもできる、重要な感覚です。また、嗅覚がないと味の感じ方にも影響することは、鼻をつまんで食事をするなどで経験があると思います。

嗅覚の仕組み

鼻孔の奥には比較的広い鼻腔があり、その最上部に嗅上皮があります。

嗅上皮には嗅細胞がありここで匂いを受容します。表面の粘液中に繊毛を出し、粘液に溶け込んだ化学物質に刺激されることで興奮がおきます。

匂い物質は,嗅上皮の繊毛に発現している嗅覚受容体と結合します。そこに匂い分子が結合することで、受容体にひっついているGタンパク質が活性化されます。この影響で、細胞内でcAMPの量が上昇(セカンドメッセンジャーし、その変化を感じ取るイオンチャネルが開くことで陽イオンが細胞質に流入します。陽イオンの流入が起きることで、細胞外内で電位差が生まれ、嗅神経細胞は興奮を起こします。この興奮が神経を伝わって脳へ運ばれます。

匂いを嗅ぎ分ける仕組み

ヒトのゲノムには約数百種類の匂い物質の受容体遺伝子が存在します。一個の嗅細胞につき基本的には一種類の受容体のみ発現していて、同じ化学物質が複数の受容体に結合することができます。

受容体における興奮の程度は異なり、これらの嗅覚情報が嗅球で統合されることで大脳に伝わり、何千種類もの匂いに識別しています。

参考資料

・スクエア 最新図説生物 二訂版 吉里勝利 阿形清和 倉谷滋 筒井和義 三村徹郎 p204~207
・嗅覚の匂い受容メカニズム 東京大学大学院農学生命科学研究科/ERATO 東原化学感覚シグナルプロジェクト  東原 和成https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/118/8/118_1072/_pdf/-char/ja
・匂いの遺伝学 新村芳人 東京医科歯科大学 難治疾患研究所 http://www.tmd.ac.jp/mri/koushimi/shimin/niimura.pdf
・Wikipedia(Gタンパク質)
https://ja.wikipedia.org/wiki/G%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%AF%E8%B3%AA

・講義動画:https://youtu.be/dq16wwZx5X8

前の記事

味覚の仕組み

次の記事

視覚の仕組み