研究レビュー(SR)作成マニュアル

#13 要約尺度

・主要アウトカム、副次アウトカム、結論がどの要約尺度で示されたのかを記載します。

#14 結果の統合

・複数の研究結果を統合した場合には、データの取扱い研究結果の統合方法、 
 一致制の尺度(非一貫性の評価)について記載します。
・メタアナリシスを実施しない場合は、その理由を記載します。

#15 全研究のバイアス・リスク

・全研究にかかわるバイアス・リスクの評価方法について記載します。
・V-13aに記載のある5または6項目について記載します。
・レビューワー2人が、独立して実施した旨を記述します。

#16 追加的解析

・感度分析やサブグループ解析、メタ回帰解析などを実施した場合には、システマティック 
 レビューを実施する前にこれらの解析の必要性を認識し、計画的に実施したことを含めて 
 記載します。

#17 研究の選択

・別紙様式V-6の内容の説明を記述します。
・検索の大まかな結果について簡潔に記述します。
・除外論文とその理由が別紙様式V-8に記述されていることを記述します。

#18 研究の特性

・別紙様式V-7の内容を本文中に簡潔に記述します。(採用した各研究について、どのデータ 
 を抽出したか、研究のサイズ、PICOS、追跡期間、出典等)
・各採用文献の特性も記述します。

#19 研究内のバイアス・リスク

・PICOSの観点から、研究レビューの内容と各研究の内容の関係性を評価し、 
 個別研究のバイアス・リスクと非直接性の評価結果について簡潔に記載します。
・各採用文献ごとに、V-11aに示した評価結果を本文中に記述します。
・レビューワー2人が、独立して実施した旨を記述します。

#20 個別の研究の結果

・個別研究の結果について、各採用文献ごとに記載します。(アウトカムでまとめない)
・メタアナリシスを実施した場合は効果の推定値と信頼区間を記載します。

#21 結果の統合

・メタアナリシスを実施した場合に記載します。
・95%信頼区間や一貫性の評価結果も簡潔に記載します。

#22 全研究のバイアス・リスク

・選択した研究全体のバイアス・リスクをどのように評価したか記載します。
・V-13、V-14の評価の記述が同じになるようにします。
 (V-4、V-13、V-14で齟齬がないか確認します。)
・アウトカムが複数ある場合は、アウトカムごとに評価します。
例)非直接性のアウトカム「認知機能(視覚的な記憶力)」は~~であると判断した。 
  また、アウトカム「認知機能(作業記憶)」は~~であると判断した。

#23 追加的解析

・感度分析やサブグループ解析、メタ回帰分析などを実施した場合には、その図とともに 
 本文中に記述します。

#24 エビデンスの要約

・主要アウトカムのエビデンスの強さを含めて主要な知見をまとめ、実際に消費者が当該 
 食品または機能性関与成分を摂取した場合にそれらの知見がどのように関係するかを 
 丁寧に考察します。

(1)有効性について
・一次研究の結果を踏まえ作用機序との一貫性等を記述します。
例)有意に〇〇の機能向上がみられたが、これは動物実験における**と一致していた。 など
・アウトカムの評価方法が、広くコンセンサスの得られた指標である旨を、採用文献を 
 交えて記述します。

2)機能性関与成分の定量的・定性的同等性について
・製品中の成分と一次研究の成分の同等性を記述します。
【定量的同等性】
 異なる製品や材料に含まれる特定の成分の量が、同等の機能効果をもたらすかどうかを 
 評価すること。成分の量が変わっても、同じ効果が期待できるかどうかを評価すること。
【定性的同等性】
 特定の成分が機能的な効果をもたらす場合、その成分の性質や構造が同じであれば同じ 
 効果が期待される可能性があること。

(3)研究の外挿性について
・人種、性別、部位等について特異的(限定的)な状況があるかどうかを記述します。
・採用文献の対象者が外国人ばかりの場合、日本人への外挿性について記述する。

(4)エビデンス総体(研究の妥当性・信頼性)について
・バイアスリスク等を簡潔に述べ、そこから得られた知見の正しさを記述します。

(5)有害事象について
・安全性について記述します。
・採用論文内の【安全性評価】等に記載があります。

(6)研究レビューの結果と表示しようとする機能性の関連性について
・言い過ぎや過大にならないように注意します。

#25 限界

・採用した各研究の弱点、レビュー自体の弱点から限界について記載します。
(1)研究レベルとアウトカムレベルでの限界の記述
(2)レビューレベルでの限界の記述
 例)レビューレベルの限界については、未発表データが存在する可能性は否定できない 
   ものの、研究の収集は、英語文献では、医学及び生物学分野の主要なデータベースであ 
   るPubMed、日本語文献においては、国内の医学、歯学、薬学等における日本語論文デ 
   ータベースである医中誌を使用したため、公開されている当該研究はほぼ網羅されている。

#26 結論

・PICOや得れたアウトカム、考察を踏まえて簡潔に結論を記述します。
・レビューの結果得られた結論の範囲がどの程度かを吟味し、適した表現となるよう 
 (過大とならないよう)注意します。

#27 資金源

・SRの資金源、SRの実施者、SRの支援者について、また、利益相反に関して申告すべき 
 事項を記載します。

実施者の記述

・各レビューワーの役割を記述します。
・学位で書かれることが多いですが、薬剤師、管理栄養士などでも良いです。
例)
 検索式の設定:     農学博士A、農学博士B
 検索の実施:      農学博士A、農学博士B
 研究の選択:      農学博士A、農学博士B
 データの収集:     農学博士A、農学博士B
 個別研究の評価:    農学博士A、農学博士B
 上記内容のアセスメント:農学博士C