茶葉のポリフェノール分析(フォリンチオカルト法)

ポリフェノールはフェノール基を複数持つ構造を有する化合物を示す言葉であり、各種の生理活性を示す物質として注目されている。日本人には、緑茶に含まれるカテキンなどが馴染み深い。光合成によって酸素を作り出す植物の体内では、酸素による酸化を防止しているものと考えられており、我々ヒトはその抗酸化機能を健康維持に役立てることができる。

カテキンの化学構造

本実験では、ポリフェノールを分析する比色定量法であるフォリンチオカルト法(フォーリン・チオカルト法、Folin-Ciocalteu method)を用いて食品中のポリフェノールを分析し、その実験法を習得する。比色定量法の原理としては、濃度が高いものほど強く発色する反応を用いて、物質の濃度を測定する方法である。検量線から溶液の濃度を求め、希釈倍率から食品中に含まれるポリフェノール濃度を定量する一連の計算方法も習得する。測定法が異なる場合でも、食品試料や生体試料に含まれる物質を定量する課程は共通点が多く、その基本的な流れを学ぶ。