生理心理的な影響を評価する実験

生体には肉体的、精神的なストレス(負担となる刺激や状況)に対応できる能力が備わっていて、神経系や内分泌系により恒常性が維持されている。神経系の応答は脳波や心電図解析などの生理学的な手法によって、内分泌系の応答は血液中のホルモンによって推測することができる。

本実験では、簡易的な唾液アミラーゼの酵素活性測定を事例として生理心理的な影響を評価する研究手法を習得する。計算課題などによる負荷により、唾液アミラーゼ活性が変化するかを解析し、生体の応答を評価する。

実験手順

以下の要領で実験を行う。

・ベースラインの測定:一定時間安静状態の後、唾液アミラーゼ活性を測定

・平均値が同じになるように2グループに分ける(先に2グループ分ける場合もあります)

・両グループに何らかの課題を実施する

・課題実施後に唾液アミラーゼ活性を測定

統計解析(t検定・分散分析)

平均値の増減があった際、その程度を科学的に検証する方法として、統計解析を実施する。Excelを使って可能な部分も多く、以下の要領で実施をする。

前後の比較・対応のあるt検定(paired t-test)

同じ被験者の前後差を比較する場合などに使う。比較する例数(人数)が同一である必要がある。この実験では、前後で変化があったか否かについて確認できる。

以下のTTEST関数を使って実施する。

=ttest(A1:A10,A11:A20,2,1) 

→A1~A10の平均値とA11~A20にある数値の平均を比較する場合

グループ間の比較・対応のないt検定(unpaired t-test)

2つの集団(2つの処理)を比較する場合などに使う。例数(人数)が異なっていても構わない。この実験では、初期状態が近い状態であったか、また、課題の影響が検査値に反映されているかを確認できる。

以下の関数で実施する。

=ttest(A1:A10,B1:B10,2,2)

→A1~A10の平均値とB1~B10にある数値の平均を比較する場合

分散分析(二元配置分散分析)

初期状態のExcelでは、独自に難解な数式を入れない限り分散分析は実施できないが、Excelに追加して分散分析を実施できるソフトウェアが販売、もしくはフリーで利用することができる。このサイトでは、HADというVBAプログラムで分散分析を解析する方法について紹介している。

なぜ分散分析が必要かということに関しては、統計解析に関する基本的な考え方を解説したページも参照のこと。

統計結果の解釈

算出された数値は、危険率(p-value、p値)と呼ばれ、0.05(5%)未満であれば統計的に有意な差があると解釈される。また、0.1(10%)未満である際には、差の傾向があったと解釈される場合がある。

統計結果(危険率、p値)の解釈としては、語弊がある表現であるが、「同じである確立」と考えると分かりやすい。値が1に近ければ両者がほぼ同じであり(≒差がまったくない)、ゼロに近ければ両者の数値が異なる(≒差がある)と言った具合である。降水確率20%の日は小雨に遭うこともしばしばあるように、危険率(p値)が0.15以上の際には、差の見込みが少ないと解釈した方が無難である。

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