茶葉のポリフェノール分析(フォリンチオカルト法)

ポリフェノールの定量

検量線より試験管1本あたりのポリフェノール「量」(濃度ではなくμg数)を求め、それを元に、茶葉100gあたりのポリフェノール量を求める。

EXCELを使った検量線の作成

・濃度と吸光度のデータを以下の左記のように入力する。

・データ部分のみを選択し、「挿入」から「グラフ」を選択し、プロットのみの散布図を選択する。
(タイトル、ラベル、目盛、凡例などの詳細な設定は自分で行って下さい。)

・グラフ中にプロットされた点を右クリックし、「近似曲線の追加」で直線式を選択し、「オプション」で「グラフに数式を表示する」と「グラフにR-2乗値を表示する」にチェックを入れる。

検量の作成方法はこちらのページで関数を使う方法や統計ツールを解析する方法も含めて詳細に解説しています。

茶葉ポリフェノール濃度の計算

以下の計算式でポリフェノール量を求める。

ポリフェノール(mg/100g)=  A × VT ÷ V × 1/1000 × 100/S

                 A:検量線から求めたポリフェノール量(μg/試験管)

                 VT:希釈した試料溶液の全量(mL)

                VS:希釈した試料を採取した量(mL)

              1/1000:μgをmgに変換するためのもの

                 S:採取した(実験で使った)試料の量(g)        

     100/S:試料100g当たりのポリフェノール量を求めるためのもの

計算方法の解説動画

結果と考察のポイント

試料の希釈、反応、吸光度測定までの過程で、原理を理解しながらすべての数値を正確に記録する。それらの数値と検量線より、ポリフェノール値を算出する。茶葉のポリフェノール量は一般的に5~15g程度であり、結果が著しく異なる場合(1g未満など)は、理解や計算過程に誤りがなかったかを確認する。

フォリンチオカルト法は総ポリフェノールを大まかに求める方法であるが、現在はHPCL(高速液体クロマトグラフィー)やLC-MS等が主流である。機能性表示食品の届け出には、それらの装置で実施した分析が必要となる。今回の結果は、抽出方法や分析手法も含めて概算値であったことを考察する。前述の機能性表示食品には多くのポリフェノールが受理されている。それぞれのポリフェノールが生体に与える機能(有効性)について理解を深める機会となれば幸いである。