食品の褐変反応(アミノカルボニル反応・ポリフェノールオキシダーゼなど)

バナナの表面が褐変するのは、ポリフェノールオキシダーゼの酵素反応による?

食品の変色に酵素が関与している場合は特に植物性食品(果物や野菜類)に多く、ポリフェノールオキシダーゼという酸化酵素の働きによっておきます。
この酵素の引き起こす褐色反応を酵素的褐変といいます。ポリフェノールオキシダーゼの働きによりポリフェノールが酸化され抗菌物質となり、植物が傷付いた際に保護する役目などがあります。

酵素的褐変はほとんどの植物で起きる反応で、植物性食品の品質と非常に関連しています。とくに、りんごやバナナ、レタス、キャベツ、イモ類によくみられる反応となっています。一方褐変しにくい果実、野菜類としては、レモン、オレンジ、パイナップル、メロンなどがあげられます。

(解答) 〇

食塩水はポリフェノールオキシダーゼの反応を促進する?

酵素的褐変の防止法では酵素反応の抑制が基本となります。褐変の基質となるのはポリフェノール成分で果実や野菜においてはポリフェノールオキシダーゼによる反応が主となります。

そこでポリフェノールオキシダーゼの反応を抑制するものとして食塩があります。リンゴを向いてお弁当などに入れる際に、色が変化してしまわないように食塩水につけたりしませんか?この行動はまさに褐変防止の最善策なのです。酸化の減少を食い止めればいいわけですから、酸素に触れさせないといった方法ももちろんありますが、正直普通の私生活で酸素に触れさせないことは難しいです。つまり、果物を切った際に食塩水につけるのは理にかなった方法と言えるでしょう。

(解答) ✖ 抑制
食塩水はポリフェノールオキシダーゼの反応を抑制します。

アスコルビン酸は酵素的褐変反応を促進する?

リンゴの褐変を抑えるために、上記の食塩を利用する方法の他に、レモン汁を使う方法があります。レモン汁に含まれるアスコルビン酸(ビタミンC)は抗酸化剤としてポリフェノールオキシダーゼによる酸化反応を抑制することにより、酵素的褐変反応を抑制します。

(解答) ✖ 抑制
アルコルビン酸は酵素的褐変反応を抑制します。

テオブロミンやテアルビジンは紅茶の主な色素成分である?

これまでの問題では、酵素的褐変反応が植物性食品の外観を損なう望ましくない反応であり、その反応を抑制する方法について解説してきました。

ですが、そんな褐変という反応を積極的に取り入れているものがあります。その一例として茶の製造があります。紅茶特徴の赤色色素はカテキン類の酸化生成物でテアフラビン類とその重合物のテアルビジン類です。ウーロン茶などもこれらによって呈色反応が起きています。

テアフラビンの化学構造

(解答) ✖ テアフラビン
テアフラビンやテアルビジンは紅茶の主な色素成分です。