食品の褐変反応(アミノカルボニル反応・ポリフェノールオキシダーゼなど)

アミノカルボニル反応とは、アミノ化合物が加熱により分解・重合する反応?

アミノ・カルボニル反応とは、カルボニル化合物(食品では主に糖)とアミノ化合物(アミノ酸、ペプチド、タンパク質)が加熱により分解・重合する反応です。カラメル化反応、脂質の酸化、アスコルビン酸の分解による褐変反応も含めて、総称して非酵素的褐変と呼ばれています。

アミノカルボニルの例として、醤油の製造の際に火入れといった加熱処理を行うことで色付け、香りづけを行うといった作業があります。このように、食品を加熱などで(酵素の作用ではなく)褐変反応が起きることを非酵素的褐変、もしくは着目した研究者の名前からメイラード反応とも呼ばれています。近年はこの反応は食品中のアミノ化合物とカルボニル化合物との反応によるものであるため、アミノ・カルボニル反応と呼ばれています。

食品中にはアミノ酸やペプチド・たんぱく質といったアミノ化合物と糖などのカルボニル化合物が常に共存しているため、食品中ではアミノ・カルボニル反応が生じやすいです。複雑な合成反応や分解反応が進み多数の物質が生じることなどから、この反応の最終生成物であるメラノイジンの化学構造はいまだにはっきりとされていません

(解答) ✖ カルボニル化合物+アミノ化合物
アミノカルボニル反応とは、カルボニル化合物アとミノ化合物が加熱により分解・重合する反応です。

生成された窒素配糖体は、シッフ塩基を経てアマドリ転移生成物となる?

アミノカルボニル反応において反応は大きく三段階に分類されます。

まずは初期段階です。初期段階では、糖とアミノ化合物が縮合して窒素配糖体を形成し。シッフ塩基を経て、アマドリ転移反応によってアマドリ転移生成物を合成します。次の中間段階では、初期段階で生成したアマドリ転移生成物がレダクトン性化合物を経由して脱水、酸化、脱アミノ反応などによって高い反応のさまざまなカルボニル化合物を生成します。更に同時にストレッカー分解も起きます。

最後の終期段階では、中間段階で生成したカルボニル化合物がアミノ化合物と反応したり、互いに重合したりといった反応をおこし、褐色色素であるメラノイジンを形成します。この三段階によって、アミノカルボニル反応は進行します。

(解答) 〇

アミノカルボニル反応の中間生成物と、α-アミノ酸との間で起こるストレッカー分解によって加熱香気が発生する?

『生成された窒素配糖体は、シッフ塩基を経てアマドリ転移生成物となる?』の解答解説に記載している通り、アミノカルボニル反応においてストレッカ―の分解も生じます。

ストレッカーの分解とは、食欲をそそる食品の加熱香気を生み出す代表的な反応のことをさします。アミノカルボニル反応において生成したα-ジカルボニル化合物がα-アミノ酸と反応して酸化的脱炭酸によって炭素数の一つ少ないアルデヒドとアミノレダクトンが生成します。アルデヒドはご存じの方も多いと思いますが、独特の香気を持っています。

(解答) 〇

【参考資料】
栄養士のための食品学実験 第四回 アミノカルボニル反応 http://shokujikken228.hatenablog.com/entry/2014/10/07/233000