食品の褐変反応(アミノカルボニル反応・ポリフェノールオキシダーゼなど)

アミノカルボニル反応においてグルコースよりもスクロースの方の反応が進みやすい?

アミノカルボニル反応では還元性が必要となってきます。しかし、スクロース(ショ糖)には還元性がない為、この反応は進行しません。スクロール同様に、還元性のない糖(非還元糖)にはトレハロースなどがあります。

(解答) ✖
アミノカルボニル反応においてグルコースよりもスクロースの方の反応が遅い(進みません)。

鉄イオンや銅イオンは、アミノカルボニル反応を抑制する?

アミノカルボニル反応にはたくさんの因子がかかわっています。ここでは、その因子を大まかに説明したいと思います。

①pH3~8の範囲では、酸性側で遅くアルカリ性側になればなるほど反応は強くなります。
➁およそ10~15%の水分で最も早く反応が進行します。中間水分食品は褐変が生じやすいと言われています(中間水分食品に関する詳細はこちら)。
③化学反応である為高温のほうが反応は促進されます。
④還元糖やアルデヒドとアミノ化合物との褐変反応は酸素の供給がなくとも加熱によって進行しますが、室温付近においては、空気存在下で促進され酸化褐変の寄与が大きくなります。
⑤レダクトン類の酸化を触媒する鉄イオン、銅イオンは褐変を促進します。

(解答) ✖ 促進
鉄イオンや銅イオンは、褐変反応を促進します。

アスコルビン酸は、アミノカルボニル反応を抑制する?

アスコルビン酸はレダクトン(還元性の高い物質)であり、酸化されるとα-ジカルボニル化合物となります。 このジカルボニル構造は反応性が高く、アスコルビン酸の酸化物はアミノ・カルボニル反応として進みます。

(解答) ✖ 酸化物が反応する
アスコルビン酸は、酸化物となり、アミノカルボニル反応がおきます。

【参考資料】
J-STAGE 食品の加熱調理によるアスコルビン酸由来メイラード反応生成物の健康への影響  三宅紀子 酒井清子 曽根保子 伊坂亜友美 鈴木恵美子 倉田忠男  https://www.jstage.jst.go.jp/article/ajscs/25/0/25_75/_article/-char/ja/