パソコン利用推進(スマホ依存脱却)のオススメ

当研究グループでは、業務で可能な限りパソコンを利用することをお勧めしています。

スマートフォンには可搬性という大きな利点があります。ですが、文字入力は当然のことながら両手の全ての指を使った方が早いことなど、業務ではパソコンを使った方がメリットが大きいです。また、パソコンの方が意外と安価になることが多いです。

スマートフォンの長期間利用は「スマホ依存症」と呼ばれて脳にも悪影響があるという研究もあり、スマホ依存を脱却する方法をお知らせします。

スマホ依存(スクリーンタイム)の確認方法

機種によってことなりますが、iPhoneは「スクリーンタイム」として簡単に見ることができます。Androidの場合は「Digital Wellbeing」として、スマートフォンを使っている履歴を確認することができます。詳細は、「自分の機種+スクリーンタイム」で検索してみると分かると思います。

企業との共同研究では、スマホ依存を暫定的に2時間としました。いくつかの研究論文では、5時間以上になると明確な「スマホ依存症(smartphone addiction)」として定義している場合もあります。

スマホからパソコンに置き換える方法

スマートフォンに日々の作業を依存していると、パソコンで代替できることも思い当たらないようです。以下、1つずつ説明していきたいと思います。

※以下の「パソコン」はWindows(主にWindows10やWindows11)を想定しています。

パソコン版LINEをインストールする

スマホがないと絶対無理!という方について理由の多くは、まずLINEの利用を挙げられます。LINEの利用は絶対にパソコン版をお勧めします。スマホが必要な場面もありますが、筆者の場合はLINE利用の95%以上をパソコンに依存しています。

導入はとても簡単です。詳しくはLINE公式の説明をご参照ください。Google Chromeのアドインがさらに便利です。パソコン版LINEは、実質1つのパソコンに限られますが、Chrome版は職場や大学のパソコンなどにも入れることが可能です。Chrome版は他の場所で使うと都度ログアウトされてしまうのが、ある意味安心です。

Google Chromeをパソコンにインストール

LINEに次いで多く聞くのは、インターネットをスマホでしないと落ち着かない、スマホでのブックマークが使えないことが不便、といったことです。これは圧倒的にブラウザの利用も絶対にパソコンの方がお勧めです。上記のLINEはスマホが前提で作られているような雰囲気もありますが、Webサイトの閲覧はスマホが普及していない時代からパソコンで利用されていることもあり、パソコン利用が前提であると感じます。筆者の場合はブラウザ利用の98%以上をパソコンに依存しています。

Androidを使っている方は、ほとんどの方がChromeになっていると思いますので、同様にパソコンにインストールしてIDやパスワードを入れればブックマークが引き継がれます。初期状態ではChromeがインストールされていないので、「Google Chrome」などで検索すればインストールサイトが見つかると思います。iPhoneの方は、少し面倒ですが、一旦iPhoneにChromeを入れてブックマークを引き継ぎ、パソコンにもChromeを入れる方法が良いかと思います。

SNSをパソコンで見る

一般的にスクリーンタイム(スマートフォンを見ている時間の記録)で圧倒的に多いのは、上記コミュニケーションやSNSのようです。スマートフォンが人と繋がるツールであり、そのために必須になっている印象があります。

X(Twitter)やInstagramなどもパソコンの方が見やすい場合が多く、これは特に何かをインストールする必要もありません。投稿も問題なく可能です。一部、多くの方々の業務には必要ないですが、Instagramのリールとストーリーズのみがパソコンからの投稿が不可能です。

エンターテインメントもパソコンで

Youtubeなどの動画視聴やゲームなどのエンターテインメントがコミュニケーションに次ぐスマホの利用方法のようです。スマホが日常の楽しみに直結していることが窺えます。それらも、もちろんパソコンで可能です。

ゲームはスマホや専用機の気軽さに負ける部分はありますが、パソコンならではの操作性を活用できる場合も多いようです(筆者はゲームが好きなのでパソコンでのゲーム利用を意図的に避けています…)。

中古パソコンと使いこなしのオススメ

当研究グループでお仕事をして下さっている方々には、パソコンやタブレットをお貸ししています。仕事をするための最低限の要件で恐縮ですが、以下のような要件と使いこなしで、新しいパソコンと比べて大きく支障のない働きをさせることが可能です。

中古パソコンの選定基準

楽天やAmazonなど大手のサイトでも、初心者を狙ったような詐欺的製品も稀に見受けられます。評価の件数、平均点、評価内容が良いものを選ぶと間違いが少ないです。税込み10,000円でも十二分に使えるパソコンもあります。以下のような性能をお勧めします。

  • SSD(HDDではないことが快適な作業に重要です)
  • メモリ8GB以上(Officeソフトウェア中心の利用であれば4GBでも可能です)
  • CPUのPassmark値が1000以上、できれば2000以上(一度検索をオススメします)

少し難しいのがPassmark値ですが、処理能力を評価する代表的な指標の1つです。CPUの型番がCore i5 やCore i7であれば古くてもOffice用途は問題ないことが多いです。多少厄介なのがCeleronで、数字が大きくても妙に遅いCPUもあります。パソコンの動作が何をするにも少し待たされるという印象です。少し面倒ですが「Celeron 〇〇 Passmark」といった感じで検索して、一度数値を確認しておくと安心です。

OfficeはMicrosoft製ではなくて互換のWPS Office

Microsoft Officeが入っている製品を選ぼうとすると、どうしても価格が高くなります。WPS Officeが無料で、ほぼ同じ作業ができます(https://www.wps.com/)。

どうしてもMicrosoft Officeが必要な場面はWeb版を使うことで解決できます。一度、OneDriveに該当のファイルをアップロードして、そのファイルを開くことで利用可能です(https://onedrive.live.com/)。

指紋認証は使い始めると必需品?

最近のスマートフォンは顔認証や指紋認証などでログインすることが出来て便利です。パソコンに戻るとPINを入れることが面倒に感じます。安価な中古パソコンには、顔認証や指紋認証が入っておらず、もどかしく感じることがあります。

顔認証が可能なカメラの値段は比較的高く、またノートパソコンの場合は単純に邪魔になります。また、認識速度もあまり早くありません(中古パソコンの場合)。指紋認証デバイスは小型で認識速度も速く、スマートフォンのような使用感でパソコンを使うことができます。値段も2,000円くらいで購入出来て、機種を変更しても使い続けることができます。

スマホが必要(もしくは圧倒的に有利)な場面

上記にも一部記載していますが、スマートフォンが必要となる場面が現代人には少なからずあります。既にそのサービスを享受している方々からすると、それらを完全に手放すことは難しいかと思います。コミュニケーション、支払い、災害情報など、文字通り死活問題となる機能をスマートフォンが担っています。

LINEの友達追加などの機能

友達の追加はQRコードでされることが多く、これは私の知る限り、カメラがあってもパソコンではできません。また連絡先を伝えたり、位置情報を伝えるなどはPC版のLINEですることができません。毎日することではありませんが(前述の通り95%以上はメッセージの送受信かと思いますが)、機能限定感が否めず、スマホ依存の一部を担うことになります。

SNS投稿の一部

これも前述の通り、投稿の一部ができなかったり、投稿が縦型画面にカスタマイズされている投稿があるなど、スマートフォン利用が前提とされている雰囲気があります。投稿ができないことは、安否が心配されることもあり、生活の一部となっています。

決済(クーポン利用、ポイントサービス等も含む)

現金を使わない決済方法が発達しており、スマートフォンの画面提示することが一般的になりつつあります。一定期間で執行するポイントなどは通販での利用も限界があり、日常生活での支払いにスマートフォンが必須になりつつあります。画面の提示時間は1分未満ですが、バーコードが示されるまで待ったりすることなど、意外とスクリーンタイムを使うことにもなります。

最近では、ポイントカードを発行することも少なくなり、スマートフォンが代替していることが多くなりました。また、その際に発行されるクーポンもスマートフォンが必須となることも増えてきました。10年前は財布が担っていた機能の多くをスマートフォンが担うようになっており、近場の外出は現金を持たずにすることが可能な世の中になってきていると感じます。

地図ソフトウエア(ナビゲーション)

パソコン版の方が、複数経路の探索、途中経路を詳細に設定など痒い所に手が届く場面も多くあります。ですが、実際に目的地に向かう際にはパソコンを持ちながら行くことは(筆者の500g未満のパソコンでも)難しいことは明らかです。

一方スマートフォンは軽量であることだけでなく、GPSを基本的に備えていて一般的なカーナビゲーションよりも正確な到着時刻が予想できるなど(事故など不足の事態でもそのことが分かることも含めて)、死活問題となる場面も少なくありません。

天気予報

これも、Webサイトで十分な情報が得られるのですが、スマートフォンの方が情報量が多いこともしばしばあります。最近ではWebサイトよりも携帯アプリケーションに特化させているサイトもあるようです。

特に外出時や災害級の雨風などが予想される際などは、その情報が安全安心のために重要になることも少なくないと思います。

語学学習

学生や子供たちへの資格などをアドバイスや指導する機会も少なくないのですが、最近では書籍よりも圧倒的にスマートフォンを利用する方が良い場合があります。資格(英検やTOEICなど)に合わせた単語学習、リーディング、リスニングなど、いつも手元にあることも含めてスマートフォンのメリットは絶大と感じます。WebサイトやWebアプリなども多数存在しますが、昨今の語学学習にスマートフォンは必携のアイテムだと感じます。

自分の机で学習をする際は、パソコンとスマートフォンを併用して、単語を調べる際には両手で入力できるパソコンを利用して、スマートフォンは問題演習など役割分担させると、さらに効率が良くなることと思います。

スマホ依存脱却に関する総括

スマートフォンに極端に依存することは脳への悪影響が心配され、また明確に業務効率を低下させる原因にもなります。しかしながら、スマートフォンは日常生活で必須な道具となりつつあり、極端な断捨離をお勧めするものではありません。適度な付き合い方として、スクリーンタイムが1日1時間未満、可能であれば30未満程度であれば問題ないかと思います。

デジタルデバイド(デジタル機器類の使いこなしによる格差)という言葉もある通り、スマートフォンを使いこなせることは重要なITスキルの1つです。ですが逆にスマホ依存でパソコンを捨ててしまうような状況は、デジタルデバイドの弱者ともなり得ます。バランスの良い使いこなしをお勧めしたいと思いました。