食品の機能性と機能性表示食品

機能性表示を取得するには

 機能性表示を取得するには、大きく分けて、研究を実施して有効性や安全性を検証すること、もしくは文献調査をすることになります。まずは、研究を実施する場合を解説したいと思います。以下の動画でも、説明をしています。

機能性表示の届出に必要な研究

主に以下の研究が必要になります。
臨床試験文献調査で回避可能)
安全性試験(食経験や文献調査で回避可能)
作用機序文献調査で回避可能)
関与成分分析(十分に規格化されていれば不要)
 文献調査などで研究の実施を回避することも可能ですが、世界の誰かが該当の研究を実施している必要があります。

機能性表示の届出

 上記の全てが揃っていることが機能性表示の必要条件になりますが、表示を受理されるためには消費者庁への届け出が必須です。まずは、Webからの登録が必要ですが、Internet Explorerが必要など、入り口からお役所らしさが漂います。

 つまり、機能性表示届出の本質は『お役所仕事』と言えます。なので、窓口や担当者次第では、良い製品であっても、永遠に受理されないこともあり得ます。

 一般的にお役所の窓口に行く際と同様、(もしくは事務員の方に相談する際と同様)修正を求められたら、素直にその指摘に従うことが基本です。製品の良さやサイエンスとしての妥当性より、担当者の納得する書類になっていることが重要です。回り道、抜け道を探すより、修正点に対する正面突破により難題を解決した事例にも立ち会いました。

 指摘や修正を悪意と受け止めず、担当者なりの善意(もしくは自己保身?)と受け止め、真摯に向き合うことをお勧めしたいと思いました。

文献調査のサポート

 私共も機能性表示食品の届出をサポートしており、主に構造化抄録作用機序研究レビューといった専門家の得意とする部分を多くお引き受けています。

 前述の通り、全体が事務的業務中心であるため、その他の部分は不得意もしくは時間を要しており、私たち以外の企業を紹介することが多いです。お役所仕事が本質ではありつつも、サイエンスが重要であり、可能な限りお役に立てればと思っております。

 機能性表示食品の研究レビューを受託して下さる企業は検索すると、比較的多くヒットします。ですが、実際に作業の見積りをとってみると、
200~500万円程度が相場になるようです。私共で臨床試験を受託する程度の費用であり、確実に機能性表示を取得できるとは限らず、リスクの高い投資的な支出となってしまいます。

 そのリスクを回避するため、福岡県では、「目利き調査」というサービスを実施しています。福岡県の事業者様は、無料で簡易的な調査が依頼できます。福岡県外の事業者様は、残念ながら目利き調査は利用できませんが、同様の調査を安価に受託しております。