プラセボ効果とは? プラセボの作り方まで解説!

なぜプラセボを使うのか?:プラセボ効果の排除

では、なぜこのような手順を踏むのでしょうか?

それは、プラセボ効果(プラシーボ効果)』と呼ばれる、心理的影響を排除するためです。人は効き目の全くないとされる物でも、本物の薬だと思い込ませて服用すると、思い込んだ効果が表れるということがあります。この効果は、心理的な状態や痛みなどの感覚的な状態にとどまらず、測定可能な効果としてあらわれることもあります。これは、薬そのものの効果ではなく、薬を投与された(または治療された)安心感や、医師への信頼感などによる心理作用によるものです。実際に、頭痛や精神疾患などに対して病院でも処方される場合もあります。

臨床試験では、試験物そのものの効果を測るために、できるだけ結果に影響を与える要因を排除する方法を用います。プラセボを用いることにより、心理効果という要因を排除します。

プラセボと二重盲検(ダブルブラインド)

二重盲検試験(ダブルブラインドテスト)では、試験の実施者と被験者の両方に試験薬とプラセボのどちらが割り付けられているか告知がされません。一重盲検試験では、被験者にのみ、試験薬とプラセボのどちらが割り付けられているか告知がされません(実施者はどちらが本物か知っています)。

試験物とプラセボに味や外観上に違いがあると、被験者がどちらを服用しているか推測できてしまうため、盲検性の評価が下がってしまいます。また、有効成分以外の影響を排除するため、プラセボの成分については、試験物と有効成分以外は同一であり、有効成分をデンプン等に置き換えたものであることが望ましいです。