メタアナリシスの統計解析

このページでは、機能性表示食品の届出をする際に求められるメタアナリシスの解析方法を解説しています。メタアナリシスは研究レビュー実施の際に、論文数が多く定量的なデータの際に利用する場面があります。

本ページは主に内部メンバーに向けた簡易マニュアルとして作成しています。メタアナリシスの詳細については、他のWebサイトや教科書などを確認してください。メタアナリシスをするための前提となる条件は細々とありますが、それらは研究レビューを実施している過程でクリアされていることを想定しています。

EZRのインストール

当研究グループではEZR(Easy R、イージーアール)を利用します。ダウンロードページはこちらを参照してください。信頼性が高く無料のR(アール)という統計解析ソフトウェアを比較的簡単に利用できるよう作られたものです。2025年6月現在、EZRのバージョンは1.68です。

解析するデータの準備

解析するには「異質性が低い」データが必要になります。例えば、血糖値は単位がmg/dLになっていることが多く、測定方法や測定機器によって異質性がある(性質が異なるデータ)とも言えますが、異質性が低いデータになります。海外の研究ではmmol/Lもあり、解析するには計算をして単位を揃える必要があります。食後の血糖値を評価する際にはAUCという数値を使うこともあります。これは、血糖値と時間から算出できますが、これも「異質性」をなくすために、血糖値からAUCを算出する必要あがあります。簡単に言えば、単位の揃っているデータは異質性が低い場合が多いです。

ストレス、睡眠、鬱や不安、痛みなど質問紙で評価している場合は、単位などの概念もなく、異質性について注意が必要です。同じ質問紙で評価されているか、尺度は揃っているかなどを確認してください。

解析に必要なデータは、平均値、SD(標準偏差)、例数(人数)です。これが、試験品とプラセボの双方必要になります(どれか1つでも欠損があると統計が動いてくれないので採用できません)。平均値と例数は記載されていることが多いですが、SDではなくSE(標準誤差)を記載している論文もあります。解析のためには、SDからSEへの変換(計算)が必要です。

これらの数値をExcelに入力して準備します。

EZRを使った統計解析

まずはEZRを起動します。すぐに1つのウィンドウが出ますが、「Rコマンダー」というウィンドウが出るまで、十数秒(パソコンによっては数十秒)待ってください。

「Rコマンダー」の「ファイル」メニューにて「データのインポート」にポインターを合わせて、「Excelのデータをインポート」を選択肢、既に入力しているExcelデータを選びます。

続いて、「統計解析」メニューにて「メタアナリシスとメタ回帰」にポインターを合わせて「平均値の比較のメタアナリシスのメタアナリシスとメタ回帰」を選びます(血液検査値などの定量的なデータの場合)。

そうすると、以下のようなウィンドウが出てきます。

OKを押すと、以下のような解析画面がでます。これらの情報を様式に反映します。