p値(p-value, 危険率, 有意確率)の解釈とt検定の使いこなし

t検定の種類(等分散、片側検定、両側検定、対応の有無)

t検定の種類について触れていきたいと思います。
分析ツールでも関数TTESTでも、条件を選択する必要があります。条件によって選択や関数が異なり、結果の数値も異なります。

分散が等しいと仮定するt検定

一つ目は等分散を仮定したときの検定についてです。

二つのグループの分散が等しいという条件で有意差検定を行う場合で、この対象となるのは正規分布にて等分散なデータと非正規分布だが等分散なデータです。

分散が等しくないと想定されるt検定

二つ目は分散がひとしくない(異分散)と仮定した検定(ウェルチの検定)についてです。

2つのグループの分散が等しくないという条件で有意差検定を行なう場合で、この対象となるのは不等分散をとるデータです。

比較する対象に対応がある際のt検定

三つ目は一対の標本による平均の検定(対応のある場合の検定)についてです。

ある対象物の組を、それぞれ二通りの測定方法で測定する場合など、つまりデータが「対」になっている場合に用いられます。

両側検定と片側検定

最後に関数TTESTの尾部において選択する両側検定、片側検定についてです。

両側検定では差があるかどうかを検定したい時に使用し、検定t値の絶対値とt境界値を比較します。普通の実験では予め結果が+になるかーになるか分からないので、大部分の検定はこのタイプを用います。

一方で片側検定では測定結果が、標準値に比べ大きいあるいは小さい値を与えているかどうかを検定します。

片側検定と両側検定では、有意水準の設定における結果が異なります。両側と片側で同じ有意水準(危険率)0.05を設定すると、片側のときは一方のみで倍の広さが必要となります。よって片側では有意確率p=0.1にて計算を行います。この現象から、両側検定では有意の差があるとは言えないが、片側検定では有意の差があるという事が生じ得るのです。ゆるい信頼区間/小さいt境界値で判定されてしまうので、たとえば、それでも差がない、つまり帰無仮説が成立するというためには、より厳しいつまり精度の高い測定で判定しなければならなくなるのです。
以上が本テーマにおける内容となっております。

t検定は様々なデータにおいて汎用性が高いという利点があり、この利点を生かすために種類を理解し、使いこなせるようになりましょう。

t検定に関する練習問題

t検定に関する演習問題にチャンジしてみてください。以下の動画も参照してみると比較的容易にExcelでt検定が実施できると思います。

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t検定演習問題