タンパク質の栄養的役割

タンパク質と必須アミノ酸

たんぱく質は20種類のアミノ酸が多数結合することにより構成されます。そのうち9種類は体内での合成ができません。よって体外から摂取する必要があります。そのため、必須アミノ酸と呼ばれています。

たんぱく質の成分元素は、炭素、水素、酸素、窒素であり、一般的には窒素を重量比で16%程度含みます。1g当たり4kcalのエネルギーを生み出します。主に糖質や脂質の摂取量が少ないとき利用され、アミノ酸から糖が産生されます(糖新生)。

タンパク質が不足すると起きる現象として、鉄と結合して作られるヘモグロビンが減少し、貧血の原因にもなります。更に、成長途中の子供の場合、十分に成長できなくなります。その他の特徴としては、低温、加熱、酸によって凝固するといったものがあります。摂取したタンパク質は消化によりアミノ酸まで分解され、小腸の柔毛で吸収され、窒素は尿として解毒されて排泄されます。

制限アミノ酸とは

FAO(Food and Agriculture Organization:国際連合食糧農業機関)とWHO(World Health Organization: 世界保健機関)より理想的なアミノ酸のパターン(アミノ酸評定パターン)が提唱されています。その理想的な必須アミノ酸のパターンに比べて不足しているアミノ酸を制限アミノ酸と言います。その中でも、最も不足しているアミノ酸は第一制限アミノ酸と呼ばれています。

例えば、コラーゲンには必須アミノ酸であるトリプトファンが全く含まれていません。この場合、トリプトファンが第一制限アミノ酸になります。その次に不足しているアミノ酸を第二制限アミノ酸、さらにその次を第三制限アミノ酸と言います。

アミノ酸スコアとは

その食品に必須アミノ酸がどれだけバランス良く含まれているかを示す指標です。簡単に言うと、必須アミノ酸9種類の含有率を点数化したものです。以下の計算式で求められています。

アミノ酸スコア=
食品たんぱく質の第一制限アミノ酸含有量(mg/gN)÷
アミノ酸評定パターンのアミノ酸含有量(mg/gN)×100

牛乳やたまご、肉類はたんぱく質の分解効率も良い為アミノ酸もバランス良く摂取できます。 しかし、動物性たんぱく質だけを食べていればOKというわけではありません。動物性食品中心のレシピは脂質の過剰摂取につながるからです。また、ビタミンやミネラル、食物繊維の不足にもつながります。

アミノ酸スコアが低い=アミノ酸(タンパク質)量が低いわけではありません。アミノ酸スコアが100である食品に越したことはないですが、タンパク質が多いことや消化吸収率の高い食品を選ぶのも大事です。

たんぱく質に関しては、以下の投稿も参照ください。