食品成分表

食品成分表の歴史

第二次世界大戦後より、日本人が日頃摂取する食品の成分などを文部科学省が提供してきました。当時、掲載されていた食品数は約500、成分の項目は14でした。所得が向上するにつれ米や芋などのでんぷん食品の摂取量が減少しタンパク質・脂質食品の摂取量が増加したことで食品の多様化につながりました。このように食生活の変化により、変化していくべきデータとも言えるため、様々な観点から五年おきを目安とし、改定されています。

今現在使用されているのは、2015年の大幅改定により発行された日本食品標準成分表(七訂)です。編纂と刊行は文部科学省科学技術・学術審議会資源調査分科会により行われています。

収載食品と成分項目

可食部100gあたり、1食品1成分値が原則となっています。文部科学省のサイトからも食品成分表を調べることが可能です。

食品群数  18食品群

1.穀類 2.いも及びでんぷん類 3.砂糖及び甘味類 4.豆類 5.種実類 6.野菜類 7.果実類8.キノコ類 9.藻類 10.魚介類 11.肉類 12.卵類 13.乳類 14.油脂類 15.菓子類 16.嗜好飲料類 17.調味料及び香辛料類 18.調理加工食品類

食品数  2191食品

大分類、中分類、小分類、細分類に分けられます。 大分類は動植物の名称を50音順で示します。食品番号は5桁とし、初めの2桁は食品群、次の3桁は小分類、細分類で表されています。

成分項目数  52

三大栄養素(炭水化物、脂質、タンパク質)やビタミン、ミネラルが主に掲載されています。

成分値の分析方法

数多くの数値は、膨大な分析実験による積み重ねにより成り立っています。個体差や季節変動がある場合(例えば寒い時期に魚の油が乗るなど)は、それらの平均値を1成分値としています。

三大栄養素の分析方法

タンパク質はケルダール法(窒素の量を測定してタンパク質量に換算する方法)、脂質はソックスレー抽出法(有機溶媒で親油性の物質を繰り返し抽出して蒸発させる方法)で分析されている食品が多いく、炭水化物は以下の計算式で算出されている場合が多いです。

炭水化物(g) = 100g ー(タンパク質+脂質+水分+灰分)

※水分は加熱して蒸発させる方法、灰分は500℃以上で加熱して灰になった際の重量で測定されます

ビタミンの分析方法

微量であるミリグラム単位の多くのビタミンは、高速液体クロマトグラフ法(HPLC)で分析されていることが多いです。さらに微量なマイクログラム単位のビタミンの一部は微生物法(ビタミンが多いほど増殖する微生物の性質を利用)でも分析されています。

ミネラルの分析方法

ミネラルは原子吸光分析にて分析されている物質が多いです。原子吸光光度計の測定原理としては、花火のように、物質の種類よって燃焼する際の色が変わり、物質の量が多いほど強く発光するので、燃焼した際の光の種類や強さによって物質の種類と量を分析します。

食品成分表の分析方法に関する情報は、以下の動画でも解説しています。