食事摂取基準とは
摂取したほうが良い栄養素の基準を示すもので、日本人の健康な人と集団を対象にしている、国民の健康の保持・促進や生活習慣病、糖尿病などの予防する時に参照されるエネルギー・栄養素の摂取量の基準とされているものです。これは、健康増進法に基づき厚生労働省が定めており、5年ごとに改訂します。
日本人の食事摂取基準を理解する、という観点では、厚生労働省のサイトを一通り確認することが近道のように思いました。ですが結構大変なので、PowerPointファイルをダウンロードできる場所があり、これを一通り確認することをお勧めしたいと思いました。#栄養学 #生環https://t.co/SxGlA7PcKo
— 食品機能学研究室 (@foodfunctionlab) April 29, 2019
食事摂取基準の各種指標
一般的にも使われている「必要量」や「摂取量」という言葉ですが、食事摂取基準では明確な統計データに基づいてその量が定義されています。

上記の図が各指標の概念を示したものになりますが、以下の動画で簡単に説明をしています。「上限量」は聞いただけで分かると思いますが、「必要量」「推奨量」「目安量」は、耳で聞いただけでは違いが分かりにくいと思います。上記のグラフ、それと以下の動画を確認すると明確に違いが理解できるかと思います。
必要量
『日本人の50%において、性別・年齢ごとにその量を摂取すれば、栄養素・エネルギーが不足になることはない』と定められた量です。
栄養素・エネルギーの必要量の目安であるため、その基準を守ってもその栄養素・エネルギーが不足しないとは限りません。
推奨量
『日本人の97~98%において、それぞれの栄養素をどれだけ摂取すれば、不足することはない 』 とされる摂取量です。
あくまで摂取量の目安であり、仮に満たしていてもエネルギー・栄養素不足が必ず防げるわけではありません。
目安量・目標量
必要量・推奨量を計算する根拠となる測定や調査ができない場合のその性別・年齢の人が良好な健康状態を維持するために必要と思われる量の目安となる量です。
生活習慣病予防のために、目標量を摂取することが最も良いとされています 。
上限量
これ以上摂取しては、過剰症を引き起こしてしまう可能背のある目安の量です。脂溶性ビタミンやミネラルに設定されていることが多いです。
これらの指標を90秒程度の動画にしていますので、これもご参照下さい。
2020改訂版
ナトリウム(食塩相当量)を高血圧予防のため、男女とも値を低めに変更されました。また、小児期からの生活習慣病予防のため、食物繊維とカリウムについて新たに目標量を設定されました。
これまでの内容は、以下の動画でも詳細に解説をしています(前半の10~11分部分は「必要量」「推奨量」「目安量」に関する説明で、前の動画と内容が重複しています)。