炭水化物と糖質の役割

炭水化物と糖質の違い

重複する物質も多く混同されやすいですが、厳密には異なります。例えば、糖質であるヒアルロン酸やアルギン酸には窒素(N)が含まれていて、「炭素と水の化合物」という定義には当てはまりません。また、乳酸(C3H6O3)などは「炭素と水の化合物」でありますが、糖質には当てはまりません。

私達が多く摂取しているデンプンは炭水化物かつ糖質であり、食品成分表でも炭水化物と糖質は ほぼ同じように扱われています。

炭水化物(糖質)の分類

炭水化物(糖質)は、単糖類、少糖類(オリゴ糖)、多糖類に分類されます。すべて、ブドウ糖などの単糖類に消化されてから吸収されます。

単糖類

ブドウ糖や果糖など甘味のある物質が多いです。単独でも存在しますが、少糖類や多糖類を構成する他、リボースのようにDNAを構成する単糖類もあります。

少糖類(オリゴ糖)

単糖類が2~10個結合した物質を少糖類、もしくはオリゴ糖と呼びます。特に2つの場合、二糖類と呼ばれることが多く、ショ糖や乳糖など身近な物質もあります。3つ以上結合したオリゴ糖は消化酵素で分解されにくく、腸内細菌で利用されやすいことから、便秘予防などにも利用されています。

多糖類

単糖類が多く結合した物質が多糖類で、代表的なものはデンプンです。そのままでは消化されにくいですが、水分と共に加熱することで消化されやすくなり、腸内で単糖類に分解されて吸収されます。消化吸収されない難消化性の多糖類は、食物繊維としての役割があります。

炭水化物の一般的な役割

エネルギー源として最も重要な栄養素です。そのため、一日に摂取する総エネルギーの50~60%を占めています。ほかの栄養素に比べて消化吸収が速く、更に、エネルギー源として即効性があります。

1g当たり4kcalのエネルギーを生み出します。余剰の糖質は肝臓や筋肉などでグリコーゲン(動物でんぷん)や脂肪として貯蔵され、必要な時に分解されて利用されます。

1日2,000kcal必要な人では、およそ60%程度の1,200kcalを糖質からとるのが望ましいといわれています。ご飯(白米)に換算すると、茶わんにおよそ5杯分に相当します。これは、食事バランスガイドとも一致します。

糖質に関しては、以下の投稿もご参照ください。