ビタミンの一覧:ビタミンの役割や欠乏症、多く含む食品

水溶性ビタミン

ビタミンCとビタミンB群が 水に溶けやすい水溶性ビタミンになります。

過剰に摂取しても体内に蓄積されず、尿と一緒に排泄されます。ビタミンC以外は補酵素として様々な身体機能に必要とされる物質です。欠乏は、命に関わることもあります。

ビタミンC:壊血病を防ぐ

抗酸化作用がある他、コラーゲンの生成を助けるビタミンです。コレステロール値を下げる役割もあります。
代表的な欠乏症は 壊血病で、これはコラーゲンが合成できないことにより、粘膜から出血をするような症状です。

多く含む食品は果実、野菜、イモ類等の植物性食品が挙げられます。
植物性の食品をあまり食べない方は、100%の果汁飲料(特に柑橘系であればコップ1杯未満で1日分を満たすことが多いです)などで補充しましょう。

ビタミンB1:脚気を防ぐ

ビタミンB1は糖質をエネルギーに変える役割があります。エネルギー代謝が円滑に行われることにより、食欲を増進させます。

そのため、欠乏症は脚気、食欲不振などです。
約100年前ころには、脚気は結核と共に 「二大国民亡国病」 とも呼ばれていた時期があり、ビタミンB1欠乏によって命を落とす人が多くいた時代もありました。

ビタミンB1を多く含む食品は、豚肉レバーウナギなどです。その他の食肉や大豆ナッツ類、ゴマなどにも含まれています。白米やお菓子などを食べる機会の多い方はビタミンB1摂取に気をつけてみてください。

ビタミンB2

ビタミンB2は栄養素の代謝を助ける役割があります。皮膚や粘膜を正常に保つ役割があり、 主な欠乏症は口角炎、口内炎、口唇炎、皮膚炎などがあります。

ビタミンB2を多く含む食品はレバー、アーモンド、卵、ウナギなどが挙げられます。

ビタミンB6:アミン酸代謝に関与

ビタミンB6はアミノ酸の代謝を促進する栄養素です。皮膚を健康に保つ役割があり、主な欠乏症はビタミンB2と同様に皮膚炎や口内炎などです。

多く含む食品はマグロ、サケ、牛レバーなど動物性食品が中心です。    

ビタミンB12:赤血球の生成を助ける

ビタミンB12は、赤血球の生成を助ける栄養素です。
貧血は鉄分の欠乏というイメージが強いですが、ビタミンB12欠乏による悪性貧血もあります。

ビタミンB12を多く含む食品は 鶏レバー、 しじみ、たらこなど動物性食品が中心です。

ナイアシン:ペラグラを防ぐ

ナイアシンは、ビタミンB2と同様に栄養素の代謝を助ける栄養素です。アミノ酸のトリプトファンから合成されますが、その変換量は少なく、食品から摂取する必要があります。

欠乏するとペラグラと呼ばれる皮膚炎になり、これは、トウモロコシ(トリプトファンが少ない)を主食とする地方に発生することがあります。

葉酸:胎児に必要

葉酸は造血作用に関係する他、 皮膚を健康に保つ栄養素です。

欠乏すると貧血などの症状が現れます。葉酸は胎児に必要である為、妊娠をしている方は約二倍を必要とします。妊娠に気付いた頃には必要量が増加している場合も多く、予め摂取量を増やしておくことをお勧めします。

名前の通り小松菜やほうれん草のような葉物野菜に多いですが、レバーに非常に多く、大豆製品などにも含まれています。

パントテン酸

パントテン酸は糖質や脂質を分解する際のエネルギー代謝に関わる栄養素です。語源は「どこにでもある」というギリシア語に由来しており、欠乏症になることは稀です。

ビチオン

ビオチンも他のいくつかのビタミンB群と同様、皮膚を健康に保つ栄養素です。腸内細菌から供給されるため、欠乏症になることは稀です。

参考資料(講義動画)

・講義動画
このページを解説した講義動画になります。

・ユーキャンの食生活アドバイザー検定三級 第三版 自由国民社 p39~42
・新食品・栄養科学シリーズ 食品学総論 食べ物と健康1 第三版 森田潤司 成田宏史 p76~81