皮膚感覚(触覚、温感、冷感など)

皮膚感覚に関する神経細胞

皮膚の感覚は、わずかな接触や圧力などを感知できるよう、特殊な形状をしています。代表的なものには、パチニ小体、マイスナー小体、メルケル細胞、ルフィ二終末などがあり、発見した研究者の名前を冠しています。特に神経の末端が特殊な形状をしていない、自由神経終末もあります。

皮膚の感覚のセンサー:チャネルタンパク質

皮膚の感覚を生じるニューロンは様々な形状をしていますが、機械受容チャネルと言われるタンパク質がその役割を担っています。機械受容チャネルは細胞膜に存在しており、物理的な変化を検出して細胞内にイオンを流入させるチャネルタンパク質です。

機械的な変化だけでなく、温度も感知するチャネルタンパク質があります。1997年に温度感覚を知覚するTRPV(transiant receptor ptential vanilloid)が発見されて以来、冷感を生じるTRPMやTRPAが次々と発見されました。それぞれのチャネルタンパク質が検出できる温度範囲は以下の図のようになっています。

TRPVはトウガラシの辛味成分カプサイシンの受容体として発見されました。カプサイシンやショウガのジンゲロール、コショウのピペリンはバニラと共通した化学構造を持っており、バニロイドと呼ばれます。TRPVは当初、バニロイド受容体と命名されました。同じように食品成分を用いて温度受容器は発見されていき、メントールを使ってTRPM、ネギ属に含まれるアリル化合物によってTRPAが発見されました。