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トマトに含まれるリコピンは、ビタミンA効力のある赤色の色素である?
《カロテノイド系色素》
黄~赤色の脂溶性色素で、炭素と水素のみからなるカロテン類と、酸素も含むキサントフィル類とに分けられます。これらのカロテノイドのうちα-,β-,γ-カロテン及びクリプトキサンチンはプロビタミンAとしての効力を持ちます。
カロテノイドは二重結合が多く酸化されやすいですが、調理において退色することはほとんどありません。
(答え) A効力なし
トマトに含まれるリコピンは、効力のある赤色の色素である。
なすやしそに含まれる色素は、ナスニンやシソニンなどカロテノイド系色素である?
《フラボノイド系色素》
「フラボノイド」とは、本来植物色素という意味であり、多くは配糖体(グリコシド)として存在する。結合糖のないもの(遊離型)をアグリコンといいます。
①狭義のフラボノイド
フラボン類、フラボノール類、フラバノン類、イソフラボン類のことです。
これらは通常淡黄色から無色ですが、アルカリ性で黄色が鮮やかになります。(例:中華麺)
②アントシアン系色素(広義のフラボノイド)
アントシアニジン(アグリコン)とアントシアニン(配糖体)を総称してアントシアンといいます。
しそ、なす、赤かぶ、ぶどう、いちごなどに含まれています。
一般に、酸性で赤、アルカリ性で青になります。
(答え) アントシアン
なすやしそに含まれる色素は、ナスニンやシソニンなどアントシアン系色素である。
ルテインは、ほうれん草に含まれるフラボノイド系の色素である?
上記『トマトに含まれるリコピンは、ビタミンA効力のある赤色の色素である?』の解説の表にあります通り、ルテインはカロテノイド系、キサントフィル類の色素になります。
本サイトの『食品中の色素成分および有害成分』に同様の問題を解答解説付きで記載させていただいておりますので、ぜひこちらのページもご覧ください。
以下、カロテノイド系およびフラボノイド系以外の主要な色素について解説します。
《ポルフィリン系色素》
①クロロフィル
クロロフィルは葉緑素ともいい、植物の光合成で光エネルギーを捕らえる重要な役割を担っています。
ポルフィリン環の中央にマグネシウム原子を持ち、疎水性のフィトールが結合しているので、脂溶性でです。
クロロフィルが脱フィトール・脱マグネシウムされたフェオフォルバイドは、光増感作用があり、光過敏症の原因物質です。
フェオフォルバイドは、あわびやとこぶしなどの中腸線に含まれ、食べた後で日光に当たると、顔面や手指の発赤、痛み、かゆみなどの光過敏症を起こします。
②ヘム
ヘムは、ポルフィリン環の中央に鉄が配置した構造を持っています。
食肉や血色素の赤色は、それぞれヘムたんぱく質のミオグロビンとヘモグロビンに由来します。
当サイトの『新鮮な牛肉の切り口はミオグロビンの暗赤色を呈し、ヘム色素の鉄は二価である?』もあわせてご覧ください。
(答え) キサントフィル
ルテインは、ほうれん草に含まれるキサントフィル系の色素である。
【参考文献】
東京アカデミー.2020年版 管理栄養士国家試験対策 完全合格教本 下巻.
七賢出版株式会社,2019,193~195p