乳製品に含まれる成分・物理的な性質

牛乳を75℃以上に加熱すると、たんぱく質の変性により液表面に皮膜を形成する?

ホットミルクを作る際に鍋やコップの表面に膜が出来たことはありませんか?

その原因こそがこの問題の示すものなのですが、牛乳中には多くのたんぱく質が含まれています。たんぱく質は熱などにより立体構造が変わってしまうことで変性するといった性質があり、この現象が牛乳加熱時に生じることで牛乳の液面に膜が生じるのです。
またこの膜の厚さは加熱に応じて分厚くなる性質があり、この現象を「ラムスデン現象」といいます。
この現象は加熱によって牛乳表面の水分が蒸発することで熱に弱いタンパク質が濃縮凝固を起こし周辺の脂肪や乳糖を包み込むことで膜となる現象が連続的に起こる為生じると言われています。
乳清たんぱく質であるβ‐ラクトグロブリンは75℃以上になると凝固する性質を有するため、加熱による変化に寄与しています。

(答え) 40℃
牛乳を40℃以上に加熱すると、たんぱく質の変性により液表面に皮膜を形成する。

【参考文献】
ホットミルクの表面にできる「膜」は捨てずに食べるべき?実は牛乳以上に栄養の塊? Business Journal
https://biz-journal.jp/2021/01/post_200849.html
牛乳の知識 「乳」の知識 学ぶ・体験する 森永乳業株式会社
https://www.morinagamilk.co.jp/learn_enjoy/knowledge/index.html

牛乳の殺菌には低温殺菌法(約62℃)と高温殺菌法(約120℃)があり、主に後者が用いられている?

牛乳の殺菌方法には大きく分けて五種類存在します。
以下表にて殺菌方法、概要、殺菌効果を記します。比較してみてください!

上記表に記されている通り日本の牛乳の殺菌方法には超高温瞬間殺菌が用いられています。

(答え) 〇

【参考文献】
牛乳の殺菌方法と栄養素の変化 一般社団法人Jミルク
https://www.j-milk.jp/findnew/chapter2/0202.html

チーズは、牛乳にレンニンを加えてカゼインを凝固させたカードを熟成したものである?

チーズとは、「乳を乳酸菌で発酵または酵素を加えてできた凝乳から乳清を除去し、固形状にしたもの、または熟成させたものをナチュラルチーズといい、さらにこれを粉砕、加熱溶融、乳化したものをプロセスチーズという」と定義されている。

レンニン(キモシン)とはチーズを生成するにおいて必要となる酵素のひとつで、チーズ製造プロセス中に牛乳を凝固または濃縮するために使用されるレンネットを生成する過程で活躍します。
レンニンは別称キモシンとも呼ばれており子牛の第4胃から抽出しています。

レンネット・・・子牛の第四胃から抽出されるたんぱく質分解酵素キモシンを主成分とする凝乳酵素剤
        です。微生物由来や遺伝子組み換えによるバイオキモシンも利用されています。

またレンネットが凝固の働きを示すにはκ-カゼインというたんぱく質が必要となります。
レンネットはκ-カゼインにのみ働く特異性を有し、乳の凝固をします。この凝固した物質がカードと呼ばれているものでカードを熟成することでチーズが生成されるのです。

(答え) 〇

【参考文献】
チーズを固めるレンネット(凝乳酵素) find new
https://www.j-milk.jp/findnew/chapter3/0305.html

ヨーグルトは、カゼインの熱凝固を利用してつくられる?

『牛乳には約8%のたんぱく質が含まれており、その約8割がカゼインである?』にも記した通り、乳にはカゼインという凝固タンパク質が存在します。たんぱく質は熱によって変性を起こしますが同様に酸によっても変性を起こし、凝固してしまいます。この作用を利用して作られるのがヨーグルトです。

ヨーグルトは、乳原料をヨーグルト用乳酸菌で発酵させて作ります。乳酸菌が産生する乳酸によってpHが徐々に低下し、pH4.6まで低下すると、カゼインたんぱく質の電気的かたよりがなくなるため(等電点)、カゼインミセル同士が凝集して、ゲル状のヨーグルトが形成されます。

(答え) 酸による凝固
ヨーグルトは、カゼインの酸による凝固を利用してつくられる。

【参考文献】
ヨーグルトの謎 恵ラボ
https://www.megumi-yg.com/labo/mystery01.html