脂質の化学的性質

飽和脂肪酸のうち炭素数12個以上のものは、常温で液体である?

脂肪酸は二重結合の有無によって、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸に分けられます。不飽和脂肪酸は更に二重結合の数によって一価、二価、三価などといった名称がつきます。また、二価以上の不飽和脂肪酸を多価不飽和脂肪酸といいます。炭素数が8~12の脂肪酸を中鎖脂肪酸炭素数12以上の脂肪酸を長鎖脂肪酸といいます。長鎖脂肪酸の特徴は脂溶性であることです。

(解答) ✖ 固体
飽和脂肪酸のうち炭素数12個以上のものは、常温で固体をとります。

不飽和脂肪酸は二重結合があるため、直線状になる?

(解答) ✖ 折れ曲がる
不飽和脂肪酸は二重結合があるため、折れ曲がった構造をとります。

不飽和脂肪酸は、飽和脂肪酸より融点が高い?

まず基本的知識として押さえておいてほしいのが、飽和脂肪酸は室温状態で固体であり、不飽和脂肪酸は室温状態で液体であるといった点です。今からその理論をご説明いたします。脂肪酸の融点は、炭素数、二重結合数、水酸基、シス・トランス異性体などに影響されます。炭素数、つまり分子量に影響され、さらには飽和脂肪酸は基本的に直鎖上構造をとるため、密集しやすく温度に変化を与えにくい為、融点は高くなります。一方不飽和脂肪酸は二重結合を保持しているため、形がそれぞれ違っていて、並べた際に空間が生まれます。よって、温度に変化をもたらしやすくなるため、融点は低くなります。さらにシス型とトランス型ではトランス型のほうが融点高くなっています。

(解答) ✖ 低い
不飽和脂肪酸は、飽和脂肪酸より融点が低くなっています。

n-3系の不飽和脂肪酸とは、カルボキシル基側から数えて、最初の二重結合を構成する炭素が3番目のものをいう?

脂肪酸の炭素数に数字を付けて数える際に、メチル基のほうから数えていきます。n-〇系の〇とはメチル基から〇番目に二重結合が存在するといったことを指しています。よってここを見ることで構造のベースを知ることができます。

(解答) ✖ メチル基
n-3系の不飽和脂肪酸とは、メチル基側から数えて、最初の二重結合を構成する炭素が3番目のものをいいます。