卵白たんぱく質のうち、一番多い成分はオボムチンで約54~60%を占める?

卵白には固形物含有量は約12%含まれており、その大部分をたんぱく質が占めています。
占めるたんぱく質のうち主成分となるものを以下に記します。

オボアルブミン:主要たんぱく質
オボグロブリン:起泡性と関連
オボムシン:濃厚卵白の構造に関わる
オボムコイド:卵アレルギーの抗原になりやすい
オボトランスフェリン:鉄イオンと結合し、細菌の発育を阻止
リゾチーム:殺菌作用が強い
これらは含有量の多い順に記していますが、オボアルブミンによって約六割ほどを占めていると言われています。

(答え) オボアルブミン
卵白たんぱく質のうち、一番多い成分はオボアルブミンで約54~60%を占める。

【参考文献】
第9回:卵について学びます(卵博士になる!) 愛知県共済
https://www.aichi-kyosai.or.jp/service/culture/internet/cook/cooking/cooking_20/9_25.html

リゾチームはグラム陽性菌および陰性菌の細胞壁を分解して溶菌作用を有する?

『卵白たんぱく質のうち、一番多い成分はオボムチンで約54~60%を占める?』にも記しましたが、卵白を占める主成分の中にはリゾチームと呼ばれる強い殺菌作用を示す物質が含まれています。
リゾチームとは、細菌の細胞壁を構成するムコ多糖類を加水分解する酵素であるため、細菌における溶菌作用を有しています。
グラム陽性菌とグラム陰性菌ではペプチドグリカンの層などに大きな違いがあり、このペプチドグリカン層はN-アセチルグルコサミンとN-アセチルムラミン酸のβ-1→4結合のくり返しによって構成されており、このペプチドグリカン層を持たないグラム陰性菌には、細胞壁にリゾチームへの対抗性を持っているため、リゾチームによる溶菌作用は働きにくくなっています。

(答え) ✖陰性
リゾチームはグラム陽性菌の細胞壁を分解して溶菌作用を有する

【参考文献】
今更聞けないグラム陽性、陰性菌の違い 獣医国家試験 BETWEENMATS
https://ja.weblogographic.com/difference-between-gram-positive
微生物の細胞壁とリゾチーム 松島祥夫
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu1962/5/5/5_5_258/_pdf/-char/ja

卵白のオボトランスフェリンとホスビチンは鉄と結合する?

『卵白たんぱく質のうち、一番多い成分はオボムチンで約54~60%を占める?』にも記しましたが、オボトランスフェリンは卵白に含まれ、鉄イオンと結合し細菌の発育を阻止します。
一方、ホスビチンは卵黄タンパク質の一部で卵黄中の約80%のリンを占めるほどのリンタンパク質である。ホスビチン中にはセリン残基が含まれており、このセリン残基はリン酸化されやすくなっています。
よって溶液中ではカルシウムやマグネシウム、鉄イオンなどと錯体を形成するため、結合を促しているのです。

(答え) 後者は卵黄
卵白のオボトランスフェリンと卵黄のホスビチンは鉄と結合す

【参考文献】
ルテニウム(III)金属錯体を用いたホスビチンのボルタンメトリー的センシング 阿部剛 菅原一晴
https://gair.media.gunma-u.ac.jp/dspace/bitstream/10087/10300/1/16
卵黄の乳化特性 小 川 宣 子(岐阜女子大学家政学部助教授)
https://www.urakamizaidan.or.jp/research/jisseki/1991/vol04urakamif-02ogawa.pdf

卵白のリベチンは卵黄抗体とも呼ばれ、親鶏の血液より移行したものである?

卵黄の構成成分として分子量の大きいリポタンパク質リベチンホスビチンなどが存在します。
リベチンはα-リベチンが血清アルブミンを、β-リベチンがαs-グリコプロテイン、ɤ-リベチンがɤ-グロブリンに一致することが判明しています。

産卵鶏は体内に侵入してきた細菌、ウイルス、異種タンパク質などの異物を抗原として認識した時、それら抗原に特異的に結合し、不活化させる免疫タンパク質を血液中に産生します。
この不活性化させる際に働く免疫タンパク質こそが特異的卵黄抗体つまりɤ-リベチンであり、卵黄中へ移行し濃縮されます。

これらの効能からリベチンは免疫タンパク質として、動物医療、ヒト医療への応用、研究用試薬、食品素材、及び化粧品等への有効利用が期待されているのです。

(答え) 卵黄
卵黄のリベチンは卵黄抗体とも呼ばれ、親鶏の血液より移行したものである

【参考文献】
鶏卵卵黄成分タンパク質の分別特性および機能特性に関する研究 筒井知己
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk1962/33/5/33_5_349/_pdf
卵黄タンパク質の製造法 ekouhou.net
http://www.ekouhou.net/%e5%8d%b5%e9%bb%84%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%83%91%e3%82%af%e8%b3%aa%e3%81%ae%e8%a3%bd%e9%80%a0%e6%b3%95/disp-A,2009-183219.html

タイトルとURLをコピーしました